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【総合職】池田 伸子
【総合職】池田 伸子
前職:都市銀行
金融機構局 国際課 企画役
民間金融機関で経験した規制の重みと、中央銀行への挑戦
私のキャリアの出発点は、国内の大手金融機関でした。前半は法人顧客向けの与信業務や投資銀行業務に邁進し、後半は、IR(インベスターリレーションズ)に従事した後、米国へ赴任し、現地での規制監督対応を担当しました。帰国してからは、マネー・ロンダリング防止や経済制裁対応といったコンプライアンス業務を担いました。
この後半の時期は、世界金融危機後のグローバルな金融規制強化のうねりの中にありました。私は業務を通じ、「金融機関の活動や業績、そして国際競争力は、経済動向や各金融機関の経営戦略だけでなく、金融規制や監督のあり方に非常に大きな影響を受ける」ということを身に染みて実感しました。そして、探求心から、米国のロースクールへ留学し、グローバルな金融規制や米国の金融法制を学びました。
そんな折、縁があって、日本銀行で働く機会をいただきました。当初は迷いもありましたが、金融システム全体の安定性や、あるべき規制・監督の構築に公的な立場から貢献できる唯一無二のフィールドで自分の経験を試したいと考え、転職を決意しました。
危機管理の実務から最先端のアジェンダまで:国際的な議論の最前線に立つ
現在は金融機構局国際課に所属し、主に2つ役割を担っています。
一つは、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)や金融安定理事会(FSB)といった、国際的な基準設定主体への貢献です。私はFSBの「銀行セクターのクロスボーダー危機管理グループ」のメンバーとして、金融機関の破綻処理制度や、危機管理の実務のあり方を検討しています。中央銀行は「最後の貸し手」として流動性を供給する極めて重要な役割を担います。根底にある原則や理論を理解し、本邦および主要国の制度の違いを調査した上で、議論に貢献できるよう努めています。
もう一つは、G7やG20で議論される金融システムの安定に関する議題について、日本銀行としての立場や見解を検討・整理する役割です。会合で取り上げられるトピックは多岐にわたり、最近では、非銀行金融仲介(NBFI)の台頭、ステーブルコイン、AIなどの新技術が金融システムに与える影響や対応策といった、明確な解がない最先端のトピックが議論されます。だからこそ、本行内でも、幅広く情報と知見を集めて多角的に議論するというプロセスが欠かせません。よって、日頃から、国内外の文献調査や主要法域の法令・規制動向の調査のほか、民間で今起きている生の情報の収集に努めています。明確な答えのない問いに取り組むことは、時に困難で多くの時間と労力を要しますが、会合に出席される幹部の方々や行内の関係者とオープンかつ真剣に議論を交わし、本行の立場や見解を整理していくプロセスは、この仕事の大きな醍醐味です。
これらの業務において、前職での経験は非常に大きな強みとなっています。特に、法人顧客向け業務や米国でのファーストハンドでの経験は、新しい規制や技術が金融機関にどのように影響するかを具体的に想像するのに役立っています。また、5年にわたる海外勤務経験は、海外の関係者と信頼関係を築く上での確かな土台となっています。
日本銀行に興味をお持ちの方へ
日本銀行は、金融システム全体を俯瞰し、中央銀行という特別な立場から金融システムの安定に貢献できる唯一無二の存在です。しかし、だからといって、民間企業での経験が関係ないというわけではありません。現在、金融システムは、急速に変化しており、その変化の多くは、民間の現場で起きています。だからこそ、皆さんの経験や知識が活かせる土壌があるはずです。興味を持たれた方には、日本銀行を別世界の存在と考えず、本行で働くことを選択肢の一つに検討してもらいたいと思います。
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