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【総合職】平井 崇志
【総合職】平井 崇志
国際局 国際連携課 企画役 (現 金融機構局 金融第3課 証券・外銀グループ 企画役)
2009年4月 総務人事局入行
2009年4月 大分支店
2010年9月 システム情報局
2012年6月 米国ニューヨーク大学大学院留学
2013年8月 金融機構局
2016年2月 国際決済銀行(BIS)出向、英国ロンドンスクールオブエコノミクス大学院留学
2018年7月 企画局
2020年7月 金融機構局
2021年6月 国際局
国際的な観点から物価と金融システム安定の一翼を担う
スイス・バーゼル駅の目の前に聳え立つ国際決済銀行(BIS)。世界の中央銀行総裁などは、高頻度でBISに集い、金融経済情勢や金融政策・プルーデンス政策について議論します。これ以外にも、G20・G7・国際通貨基金(IMF)などの会議の場で意見交換をします。なぜでしょうか。一般に自国の物価と金融システムの安定が中央銀行の使命ですが、この達成のためには、各国の経済・金融の結びつきが強まる中、最新動向を議論することが必要だからです。
私は、国際局においてこうした会議に携わっています。具体的には、①総裁などが会議に臨むにあたって必要な情報を整理・報告のうえ発言原稿を取り纏め、②会議中は陪席して議論をフォローし、③会議後は議論の模様を行内に還元する業務です。この還元した情報も踏まえ、日本銀行の政策が検討されます。よって、私は、国際的な観点から日本銀行の使命を達成するための一翼を担っていると自負しており、この点にこの業務の社会的意義を見出しています。
国際的な議論を踏まえてフロンティアを切り拓く
近年、こうした会議では、気候変動などの新たな課題への対応についても議論しています。日本銀行でも、国際的な議論を踏まえて取り組みを進めています。新たな課題に適時適切に対応するためには、各国の中央銀行との意見交換が必要です。最前線でその任務を全うすることは重責ですが、チームの一員としてフロンティアを切り拓く醍醐味を味わえます。
経験を最大限に活用して国際会議に臨む
総裁などが集う国際会議では、中央銀行に関わる全ての事項が議題にあがります。よって、他部署の知見も得てチームプレーで臨みますが、自身の経験を最大限に活用することが重要です。例えば以下の経験です。
まずは、企画局における金融政策に関する経験です。私は、政策判断の材料となる金融経済情勢に関する資料作成や、総裁による国会報告・記者会見・講演などの情報発信に携わりました。これらの経験を通じて深めた経済・金融や政策に関する知識、また、効果的な情報発信の手法は、国際会議に臨むにあたっても有用です。当時は、新型コロナウイルス感染症が拡大し、各国の中央銀行が政策対応を進める中、日本銀行において総裁談話の発出や矢継ぎ早の政策対応にチーム一丸となって取り組みました。その際、危機時における各国の中央銀行との円滑な情報交換と、そのための日頃からの強固な信頼関係構築の重要性を痛感しました。
次に、金融機構局におけるプルーデンス政策に関する経験です。私は、金融機関に対するモニタリングに従事しました。中でも、金融市場部門のモニタリングを担当し、各国の金融政策が市場に与える影響や、それを踏まえた金融機関行動に関する知識を蓄えました。経済発展を金融面で支えるのが金融機関であり、この経験を通じて得た知識は、国際会議に臨むにあたっての礎です。また、近年、金融機関は気候変動などの新たな課題への対応を進めています。こうした対応は民間セクターで逸早く進むことも多く、現在はモニタリングで身につけたこれらの知識も活用しています。
私は、日本の大学の法学部出身ですが、入行前は、中央銀行業務に関する知識に乏しく国際経験も豊富ではありませんでした。こうした中、入行後の米国での法学修士・英国での公共政策修士で広げた金融規制や金融政策の知識は、現在の業務における学術的な裏付けとなっています。また、BIS内に事務局を構える金融安定理事会(FSB)への出向中に担った国際交渉などの得難い経験も、糧となっています。
「真の中央銀行員」を目指し続ける
国際会議の場で痛感することは、各国中央銀行の総裁などは、中央銀行業務の全てに通じた「真の中央銀行員」であり、だからこそ、気候変動などの新たな課題にも的確に対応できるということです。私は、経済発展のために金融政策・プルーデンス政策を軸にキャリアを歩むことを希望していますが、幅広く知識を蓄え貪欲に経験を積むことで、「真の中央銀行員」を目指し続けます。
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