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【総合職】鶴田 美優

【総合職】鶴田 美優

企画局 政策企画課

2018年4月  金融市場局入行 2019年1月  新潟支店 2020年4月  金融機構局 2023年6月  企画局

金融政策に触れる仕事

私は今、企画局政策企画課に所属し、最初は金融環境、2年目は実体経済に対象を替えながら、その時々の実態把握に努めています。政策企画課は、その名の通り、金融政策の企画・立案に深く関わる部署で、日本銀行の各所から政策立案に必要な様々な情報が集められ、それをもとに日々議論が行われます。私自身も、政策運営の一端を担っているという認識のもと、緊張感をもって日々の業務に臨んでいます。

この間、入行前から続いていた大規模な金融緩和は解除され、17年ぶりに利上げが行われました。金融政策を巡る状況が大きく変化する中、従来の考え方に囚われずに的確な評価をしていくことの難しさを感じています。また、役員の講演や国会答弁のほか、過去25年間の金融政策を振り返る多角的レビューの公表にも携わる中で、対外的な情報発信の重みを目の当たりにしています。

多岐にわたる業務の繋がり

金融政策を常に意識しながらも、実際の仕事は金融政策からはやや離れた多様な業務の積み重ねです。現在は、日々公表される様々な経済データに関して、調査統計局と連携しながら、現状や先行きのリスクを把握することが求められます。金融環境についても同様に、金融機構局や金融市場局とも議論しながら評価していました。日本銀行の各所で行われる調査・分析が、政策判断の重要な材料になっていて、金融政策運営はこうした多くの部署に跨る複雑なプロセスで構成されているのだと実感します。

この点、私自身の金融機構局での経験も、企画局での仕事に繋がっています。当時は金融第1課において、大手金融機関の貸出・預金動向を主にモニタリングしていましたが、2022年12月にイールドカーブ・コントロールの運用が一部見直され長期金利の変動幅が拡大したこともあって、金利設定スタンスの把握にも尽力しました。これは非常に印象深いものでしたが、この時に得た知見は、企画局においてマクロ的な金融環境を評価する上での地盤となり、さらに家計や企業へどう波及するのかを調査する機会にも恵まれました。プルーデンス政策の一環として取り組んでいたことは、金融政策の方面でもまた重要だと感じた貴重な経験の1つです。

金融機構局での経験を遡ると、地域金融機関や証券、外銀なども含めた様々な業態における信用リスク考査にも携わりました。リスク管理部門や融資審査部門の方々と集中的に議論させていただく経験は、金融機関実務への理解を深めると共に、金融機関との対話の重要性を感じる貴重な機会で、その後のオフサイト・モニタリング業務にはもちろん、企画局で金融環境を評価する際にも活きてきました。実体経済をみている今現在も、直接的ではなくとも、当時の経験は私の仕事への向き合い方の根底にあると強く感じています。

セントラルバンカーとしての成長

こうした経験以外にも、入行当初は金融市場局で、市場参加者のサーベイや会合運営のほか、資金供給オペ等の担保となる債券の発行体企業の信用力判定などに携わり、新潟支店では、地元企業の方々からお話を伺いながら産業調査に取り組みました。日本銀行には様々な業務が存在し、数年単位で担当業務が変わる中、個々人が携わる分野も仕事の仕方も様々です。決まったルートを辿るわけではないので、一緒に仕事をする人は皆異なる経験や知見を備え、これらが重なり合うことで幅広い視点から奥深く刺激的な議論が行われていると感じます。日々学びが尽きず、人間としても成長できる環境というのは、ありがたいものです。

様々な業務を経験するのでジェネラリストとして成長していく面がある一方、どの業務においても中央銀行は唯一無二の存在であり、スペシャリストとしての専門性を身につけることも必要です。私はまだ、どのような専門性を追求すべきか模索中ですが、少なくとも入行以来経験してきた全ての部署での全ての仕事が、今の私の専門性を形作っているという自覚を持ちながら、新たな部署でもシナジーを発揮して自らの役割を見出せるよう試行錯誤しています。今後も、業務の繋がりを意識しながら多様な業務経験を重ねて、日本銀行員としてどう社会に貢献できるかを考え続けたいと思います。

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