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【特定職(業務分野特定タイプ)】岡本 健太郎

【特定職(業務分野特定タイプ)】岡本 健太郎

静岡支店 業務課長 (現 業務局 総務課 国庫業務企画グループ 企画役)

2002年4月  静岡支店入行 発券課 業務課 営業課 2006年9月  業務局 2011年7月  システム情報局 2013年7月  業務局 2020年10月  静岡支店

支店で資金決済の最前線に立つ

私が所属する静岡支店業務課では、「銀行の銀行」として、日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)を通じた金融機関同士や金融機関と日銀銀行との間の資金決済のほか、「政府の銀行」として、税金や社会保険料の受け入れ、年金や公共事業費の支払いなどを行っています。

こうした資金決済が問題なく行われることは、日本銀行の目的である「人々が安心してお金を使えるようにする」ための大前提であり、電気・ガス・水道といった生活インフラと同様、普段は当たり前ですが、ちょっとした間違いで決済が滞ったり、災害発生時などに決済インフラが正常に機能しなくなる(金融機関への資金供給が途絶える)ことのないよう、常に「当たり前」を提供し続ける責務があります。

支店の業務課長として、資金決済を間違いなく安定的に行うよう、課員との連絡・情報共有を丁寧に行うとともに、各種決済制度や実務に関する勉強会を開催するなど課員とともに日々研鑽に努めています。また、「いざ!」という時に向け、災害時に備えた各種訓練も欠かせません。最近では、南海トラフ地震の発生時の円滑な資金供給に向け、近隣の支店と協力して有事現金供給訓練も行っています。

バックボーンとなる経験

私が支店業務課長としての役割を果たせているのは、課員の協力があってこそですが、これまでの本支店での経験の積み重ねがベースとなっています。

入行後最初の支店では、発券課、業務課、営業課での経験を通じて、日本銀行への信任の厚さと重みを痛感するとともに、各業務を安定的に行うことが、信任の基礎となっていることを学びました。また、日銀ネットを通じて巨額の日銀当座預金の受払等が円滑に決済されている制度に興味を抱き、制度への理解を深めていきました。

「決済業務」に業務分野が特定された後、業務局では、日銀ネットの運営や業務継続企画、金融政策実行に向けた業務企画など、システム情報局では、日銀ネット関係のシステム開発に携わるなど、決済システムの高度化やその安定的な運営に向けた企画・調整業務を中心に取り組んできました。その中で特に印象に残っている仕事としては、2016年1月の金融政策決定会合(MPM)で決定されたマイナス金利政策(補完当座預金制度)に関する実務面の制度企画です。これは、実務面からみると、金融機関の当座預金残高やオペレーション等の残高に応じて3種類(プラス・ゼロ・マイナス)の金利から算出した金額に基づき各金融機関に入金または引落を実行するものですが、私は、専担チームの一員として、実務手順を定めた規程(ルール)の制定や、入金・引落金額を算定する計算システムの開発を担当しました。システム開発では、システム情報局での経験をフル活用し、正確な計算処理は勿論、将来の制度変更に備えた拡張性にも目を配り、堅牢かつ柔軟なシステムの実現に向け様々なシミュレーションのもと改良を重ねていきました。実務部署での初回作業が無事終えた後、皆で喜びを分かち合った記憶が今でも鮮明に残っています。

僅か1~2か月の短期間での対応でしたが、MPMの決定内容をいかに実務レベルで具体化するかが腕の見せ所であり、実務を担う我々が政策を支えているという自負が難題に立ち向かう原動力になったと思います。

マネージャーとして地域の決済を支える

このように、決済システムの安定や円滑な資金供給に向けて実務面、企画・調整面を合わせた経験を積んできましたが、支店業務課長は日々の資金決済を円滑に行うとともに、マネージャーとして、課員のキャリア形成を見据えた研修や、成長を一段と促すための機会の提供など課員のレベルアップや組織力を強化するのも重要な仕事です。

例えば、研修では、①現状や課題(課員のスキル状況と業務量のバランス、電子化の進展など決済を取り巻く環境変化による業務課事務への影響等)を正しく認識し【現状分析】、②課題への対応や課員のキャリア形成を見据えた研修を計画【企画立案】、③研修を通じてスキルの習得を図っていきますが【安定的な運営】、一つひとつの作業に、これまで培ってきた事務処理力や企画立案、運営ノウハウを活かしながら、課員の成長サポートに努めています。

このように、これまでの経験を活かして、課員一丸となって現場力の強化を図りながら、地域の安定的な決済の実現に貢献し続けていきたいと思います。

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