トップページ 行員紹介【特定職(専門分野特定タイプ)】 玉木 明佳のページです。
【特定職(専門分野特定タイプ)】玉木 明佳
【特定職(専門分野特定タイプ)】
法律専門玉木 明佳
金融機構局 金融第1課
2007年4月 業務局入行 国庫業務企画担当
2015年7月 財務省出向
2017年7月 業務局総務課 国庫業務企画グループ
2021年5月 業務局総務課 営業・国債業務企画グループ
2023年6月 金融機構局
制度をつくる仕事からスタート
中央銀行員として最初に携わったのは、制度づくりです。
日本銀行は、「銀行の銀行」や「政府の銀行」として、様々な制度を運営しています。例えば、政府の銀行としては年金、国税等の国庫金の受払制度を運営しているのですが、この受払の業務について日本銀行は早くから、より効率的かつ円滑な処理が可能となるよう、電子化プロジェクトなどを進めてきました。
プロジェクトの実現には、新たな制度が必要となります。その制度づくりの中でもルールづくりが私の主な仕事です。まず、誰がどういった権利義務関係に基づき、いつまでにどういう取引を行うのかを、整理・検討するところから始まります。法令に抵触しないだけでなく、システム的に処理が可能か、会計処理はどうするのかを紐解き、ルールとして決めるべきことを見極め、文書にまとめます。その文書を日本銀行内外の関係者と調整し、意見を取り込みながら合意を形成して、最終的に効力を生じさせます。
こういった制度づくりに携わってきた中で、特に忘れられないのは東日本大震災への対応です。
日本銀行は年金等の支払業務を民間金融機関に委託していますが、金融機関の一部が津波の被害などにより業務継続ができなくなり、一部の国民の方々が円滑に年金等の受取ができない状況が生じました。こういった状況を解消するため、日本銀行は政府と協議のうえ、複数の施策を講じました。
当時私は若手で、法律を大学で学んではいたものの、業務で使う法令や契約の内容は勉強中の身でした。苦労したことも多かったですが、もともと仕事を通じて広く社会に貢献したいとの思いで日本銀行を志望したこともあり、役に立てることは何でもやりたいとの強い思いを持って、各種施策の実現に取り組みました。
出向先での経験
入行9年目から2年間は、国税局に出向し、納税者の方からの税務上の取り扱いに関する事前照会を受け、回答する業務に従事しました。今度は、ルールをつくるのではなく、個別事案を法令などのルールに当てはめていく業務です。
ここでは、国税局は納税が必要との見解でも、納税者の方は納税不要と主張される場面も少なからず生じました。出向先の同僚と異なり、私は長年かけて税法を勉強してきたわけではありませんが、納税者の方々の前でそんな言い訳はできません。できることは、一つ一つ丁寧に、複雑な事実関係を整理し、事実を法令や通達に適切にあてはめて、結論を導くことです。そして、異なる見解の方に対しても、導いた結論をぶれずに分かりやすく説明することに努めました。
現在
現在は、金融システムの安定にかかる政策を担う金融機構局に所属しています。業務局や国税局での経験を活かし、「最後の貸し手」として行う貸付にかかる検討や、気候変動対応オペレーションによる貸付に携わるチームで、取りまとめの役割を担っています。「最後の貸し手」としての貸付とは、一時的な資金不足に陥った金融機関に対して、他に資金供給を行う主体がいない場合に一時的に行う貸付です。そういった貸付が生じる事態を未然に防ぐため日本銀行では様々な取組みを行っていますが、仮にそういった貸付に至る場合にリーダーシップが求められるのが私のチームです。現在4歳の子供を育てていますが、子育て中でも可能な限り責任のある仕事がしたいとの希望が叶い、公私ともに充実した毎日を送っています。
行員紹介INDEXへ戻る
次へ