私は入行後、日本銀行の発券局に配属され、さまざまな業務を担当してきました。学生時代に専攻した建築・デザイン分野とは異なる業界に就職したため、最初は不安でいっぱいでしたが、丁寧な研修のおかげでこなすことができました。最初の配属先では、機械を使って銀行券の真偽鑑定を行うとともに、再度の流通に適するものか否かを検査し、選別を行う部署で勤務しました。慣れない仕事をなんとかこなす日々でしたが、休暇で海外旅行に行った際に日本の銀行券の綺麗さにふと気が付き、世の中に流通する銀行券の品質を保つことで、便利にかつ安心して利用できることの重要性を実感することができました。その後、全てのお金の保管をする金庫事務に携わりました。多くの部署との連携が重要で、チームのメンバーと協力しながら執務したことを覚えています。窓口部署では、金融機関や個人のお客様の現金引換えを行いました。外国人のお客様にも対応する機会があり、臨機応変な対応が求められました。その後、寄託銀行券・貨幣、公文事務など多岐にわたる仕事を行う部署を経て、現在は秘書業務を担当しています。
いくつかの部署を経験する中で私が成長を実感したのは、窓口部署で引換事務を行った際のことです。お客様から、大雨で汚れてしまった大量の現金が持ち込まれ、手作業で処理しなくてはなりませんでしたが、チームのメンバーと協力することで事務を進め、綺麗なお金に引換えることができました。経験したことのない事務量をやり遂げられるのか不安ではありましたが、お客様からお帰りの際に直接お礼を言われ、笑顔で帰られるのを見た時に自分の仕事が役立っていることを肌で実感し、大きなやりがいを感じました。
また、外国人のお客様に対応した際には、簡単な英語を使いながら引換事務の手続きについて説明しました。なかなか大変でしたが、根気強く説明した結果、理解していただき、上司や同僚と協力しながら乗り越えたときには成長を実感することができました。そのほかにも最近では、2024年7月の新紙幣発行に向けた準備に関わり、実際に自分が携わった業務がニュースで報道され、自分の仕事の重要性を実感することができました。