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総裁談話・住友信託銀行と日本長期信用銀行の合併構想について

1998年 6月26日
日本銀行

  1. 本日、住友信託銀行と日本長期信用銀行の両行から、来年内を目途に合併する方向で、今後、具体的検討を進めていく旨の報告を受けた。併せて、日本長期信用銀行からは、不良債権の抜本的処理を行うとともに、徹底した経営合理化を実施する方針であるとの報告を受けた。
  2. 両行は、いわゆる「日本版ビッグ・バン」の本格的実施に合わせ、今後、金融サービスの多様化が進展していくことを展望して、今回、合併する方向で自主的な話合いを開始したものと聞いており、日本銀行としては、両行の思い切った経営判断を高く評価するものである。
  3. 合併後の銀行は、これまで両行が培ってきた銀行業務、信託業務、投資銀行業務におけるノウハウや顧客基盤を融合することにより、経営基盤の強化を図るとともに、多様な金融サービスを提供していきたいとしている。これにより、内外顧客に対する金融サービスの一層の向上が期待されるところである。
  4. 金融システムの再生・安定化を図っていくことは、日本経済の回復を果たしていくうえでも喫緊の課題である。
    日本銀行としては、両行の決断が、わが国金融システムの安定と信認回復に大きく寄与するとともに、今後の金融機関経営者の積極的対応にもつながっていくことを期待している。同時に、合併構想の円滑な実施のため、金融監督庁、大蔵省とも協力しつつ、必要な支援を行っていく所存である。

以上