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【挨拶】バブル、人口動態、自然災害

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日本銀行総裁 白川 方明
2011年6月1日

日本銀行金融研究所主催2011年国際コンファランスにおける開会挨拶の邦訳

目次

1. はじめに

おはようございます。日本銀行が主催する年次国際コンファランスで挨拶することは、私にとって大きな喜びです。各国中央銀行、国際機関、学界からご参加の皆様に対しまして、日本銀行の同僚を代表して、心から歓迎の意を表します。

私たちの記憶に刻まれる日となった去る3月11日、日本はかつてない規模の巨大地震と津波に襲われました。被災地の傷は未だ癒えていません。しかし、震災後の混乱の中、私たち日本国民は、決して絶望しませんでした。海外の多くの友人達から数多くの援助と温かい言葉が差し伸べられました。あの日から、日本国民に心を寄り沿って下さっている皆様に対し、改めて深く感謝の意を表します。

今年のコンファランスのテーマは、「実体経済と金融の連関性と金融政策」です。伝統的なマクロ経済学では、経済変動を経済成長と景気循環という2つの視点から分析してきました。こうした2つの視点は依然として重要ですが、過去四半世紀の経験を振り返ると、第3の視点として、金融危機のように発生頻度は低いものの一旦発生すると深刻な帰結を招く事象を考察に加えることが、政策当局者と学者の双方にとって、ますます重要になってきています。私自身も、昨年のこの開会挨拶で、既にバブルや金融危機の問題を取り上げました1。今年は、第3の視点という意味でも、さらに自然災害の影響について言及せざるをえません。また、金融危機や自然災害といった劇的で予測不可能なショックの対極にある出来事として、わが国経済がまさに経験しつつある人口動態の変化も非常に重要な問題であると認識しています。本日は、経済変動をもたらす要因として、このような、バブルとバブルに続いて発生し得る金融危機、人口動態の変化、および自然災害の3つを取り上げ、これらに対するさらなる研究の必要性を喚起したいと思います。

  • 1 白川 [2010] をご参照ください。

2. 過去四半世紀の日本の経済変動と今後の研究課題

大震災後の日本経済

その前に、まず日本経済の現状について簡単に説明したいと思います。震災後、日本経済は供給面の制約、すなわち、資本設備の損壊、サプライ・チェーンの寸断、電力の不足を主因に、生産活動が大幅に低下しました(図表1)。この結果、輸出が大幅に減少し、また企業や家計のマインド悪化の影響もあって、国内民間需要も弱い動きとなっています。ただし、供給制約は、民間企業の懸命な努力の結果、当初予想されたよりも改善しつつあります。先行きの見通しとしては、日本経済は、当面、生産面を中心に下押し圧力が強い状態が続くと予想されます。しかし、供給面の制約が和らぎ、生産活動が回復していくにつれて、グローバル経済の高成長を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元を背景とする需要の顕現化などから、日本経済は、2011年後半以降、緩やかな回復経路に復していくと予測されます。

過去四半世紀の日本の経済変動

こうした短期的な見通し以上に重要な論点として、日本経済の中長期的な成長経路が挙げられます。この点、日本経済の過去四半世紀の経験を振り返ってみることが有益です。まず、以下の5つの事実を認識することが重要だと考えています。

第1に、日本の実質GDP成長率は趨勢的に低下してきました。1980年代には、日本はG7諸国の中で最も成長率の高い国でしたが、1990年代に大幅に成長率が鈍化し、2000年代以降は下位グループに止まっています(図表2)。

第2に、一人当たり実質GDP成長率をみると、日本は、1980年代対比、大きく減速したとはいえ、2000年代になっても、G7諸国の中で高めの成長を続けています。特に、就業者一人当たりのGDP成長率に着目すると、日本は、米国対比、わずかに劣る程度であり、上位グループに属しています(図表3)。

第3に、バブル崩壊後、日本経済が回復するまでには、長い時間を要しました(図表4)。「失われた10年」として知られる長い低迷期です。日本経済が本格的な回復に転じたのは2004年になってからでした。ちなみに、1990年代のバブル崩壊後の日本経済の成長率の低下幅は、2000年代後半のグローバルな信用バブル崩壊後の欧米諸国の経験と比べても緩やかなものに止まりました。

第4に、金融市場が不安定化した後に、日本経済は急激に落ち込みました。その例のひとつは1997年の山一證券の破綻であり、もうひとつはリーマン・ショックでした。後者では、前者と比較して日本経済の落ち込みは、より激しいものとなりました(図表5)。

第5に、日本は、東日本大震災をきっかけとした経済活動の急激な落ち込みに直面しています。

今後の研究課題

以上申し上げた5つの事実に加えて、2000年代半ばのグローバル金融危機の経験も踏まえると、マクロ経済の変化に関するわれわれの知識がいかに乏しいか痛感させられます。まず、第1の研究課題は、バブルとその帰結としての金融危機です。グローバル金融危機をきっかけに活発な議論が行われて来ましたが、さらなる研究の余地があります。第2の課題は、人口の減少や高齢化といった大規模な人口動態の変化が社会や経済に及ぼす影響です。第3の課題は、予測困難な自然災害が経済活動に与える影響です。第2と第3の課題は、一見すると、金融システムや金融政策と無関係のようにみえるかも知れませんが、後述のとおり、そうではありません。人口減少は自然利子率の低下を引き起こし、ゼロ金利制約を通じて金融政策に影響を及ぼします。また、もし年金制度の予定利率が人口減少に伴う自然利子率の低下を十分に織り込んでいなければ、利回りの追求(search for yield)に拍車がかかり、バブルの芽が生まれるかもしれません。

3. バブルと金融危機

はじめに、第1の研究課題であるバブルと金融危機について、お話したいと思います。バブル崩壊後の景気悪化は、通常の景気後退局面と比べて長期化し、回復当初の立ち上がりも鈍いという特徴が各国で共通に見受けられます2。ちなみに、1990年代の日本、および2000年代後半の米国におけるバブル崩壊後において、GDP成長率と物価上昇率の両者が、日米で非常に似通った経路をたどっていることが観察されています(図表6)。

景気回復の遅れは、基本的には痛んだバランスシートによるものですが、この点、金融仲介機能の低下を背景とした非効率な資源配分と低生産性の関係にも注意することが重要です。持続的な経済成長のためには、潜在的な成長力の高い産業に経済資源を円滑に移動させることで、新陳代謝を維持していくことが極めて重要です。ちなみに、日本銀行のエコノミストは、バブル崩壊後6年間の日本経済のGDP成長率の低下幅3.6%ポイントのうち、1/ 7程度は、生産要素市場の歪みによる資源配分の効率性低下によってもたらされたと推計しています3。金融機関のバランスシートの悪化やゼロ金利の長期化が資源配分の効率性にどのような影響を与えるかについては、さらなる研究が求められます。

この点について、デフレ期におけるマネーと信用の微妙な相違点を挙げておきます。かつて、ミルトン・フリードマン教授は、「インフレはいつでもどこでも貨幣的現象である」と述べました4。有名なインフレに関するフリードマン命題です。シカゴ大学におけるフリードマン教授の最後のクラスを受講した1人として、教授に対する尊敬の念を込めた上で、次のような質問を考えてみたいと思います。教授の命題の中の「インフレーション」を「デフレーション」に取り替えたら、命題の妥当性はどうなるでしょうか。このように一見対称にみえる命題の妥当性を考えると、金融危機がデフレとどう関連するかについてより深く理解するための糸口が見えてきます。インフレをデフレにするのだからプラスの符号をマイナスにする以外は何も変わらないと思われるかもしれませんが、議論はそれほど単純ではありません。デフレに関するフリードマン命題が成立するかどうかは、われわれが命題をどう解釈するかに依存します。

この命題を、「金融危機に際して金融システムの安定が維持されなければ、マネー・ストックが大幅に減少し、デフレを招来してしまう」と解釈するならば、この命題は成立します。歴史を振り返ると、深刻なデフレは金融危機を併発しています5。フリードマンは、著書である「米国の貨幣史」の中で、1929年から1933年の間、大恐慌時にFRBが最後の貸し手として適切に行動しなかったために、マネー・ストックは31%減少し、物価は25%下落したと指摘しています。一方、1990年代後半の日本では、日本銀行が最後の貸し手として積極的に行動したこともあって、1930年代の米国と異なり、マネー・ストックの収縮といった事態は回避され、物価は最大で年率0.5%の下落と、小幅にとどまりました。また、1998年以降、物価は累積で3%強下落していますが、これも米国の1930年代の経験とは全く異なります(図表7)。つまり、日米両方の経験は、先ほど解釈したようなデフレに関するフリードマンの命題の成立を裏付けていると言えるでしょう。

他方で、この命題を「中央銀行は、マネタリー・ベースの拡大により経済をマネーであふれさせることによって、物価を思いのままに押し上げられる」という意味で解釈する場合、命題は、少なくとも日本や米国の最近の経験とは整合的ではありません。1997年から2010年の間、日本のマネタリー・ベースは90%と大幅に増加した一方、マネー・ストックの増加は30%でした。2008年から2010年の間の米国の経験をみても、マネタリー・ベースは140%増加していますが、マネー・ストックの増加は10%に止まりました。一方、日本の消費者物価は、マネタリー・ベースの大幅な増加にもかかわらず、2010年までの13年間で3.7%下落しています。また、米国のコアCPIインフレ率は、マネタリー・ベースの増加にもかかわらず1%ポイント以上も低下しています。つまり、マネタリー・ベースが大幅に上昇したからといって、マネー・ストックやインフレ率が、同じように大幅に上昇することはありませんでした。命題を解釈する鍵は、金融システムにあります。バーナンキ議長は自身の学術研究の中で、「金融セクターとマクロ経済の連関性のすべてがマネーで説明できるという見方には懐疑的である(I doubt that it [money] completely explains the financial sector-aggregate output connection)」と述べていますが、日本の経験に照らして、私も同じ意見です6。金融システムやクレジット市場の微妙で複雑な作用についての理解なしには、マクロ経済や金融政策の波及メカニズムを十分に理解することはできません。この面での分析がさらに進むことを期待しています。

  • 2 Reinhart and Reinhart [2010] をご参照ください。
  • 3 大谷・白塚・中久木 [2004] をご参照ください。
  • 4 Friedman [1970] をご参照ください。
  • 5 Bordo and Filardo [2005] をご参照ください。
  • 6 Bernanke [1983] をご参照ください。

4. 人口動態の変化と政策対応

ケインズの視点

次に第2の研究課題として人口動態の問題を取り上げます。ケインズは、1937年に行った「人口減少の経済的帰結」という講演の中で「人口減少期には、総需要が期待を下回り、過剰供給の状態が継続しやすい。従って、悲観的な雰囲気が続く可能性がある」と指摘しています7。ケインズは、伝統的なマルサス流の人口増加懸念論とは対照的な視点を提供しました。新古典派成長理論では、経済変数は、一人当たりGDP、一人当たり資本ストックというように、「一人当たり」で議論されることが多く、これでは日本が現在直面しているような問題を扱えません。日本は急速な高齢化と生産年齢人口の減少といった人口動態の変化期を迎えています。日本経済の現在と将来を考えるために、人口の規模や構造の変化を分析しようとしたケインズの視点が、より重要になってくるのではないでしょうか。この点、先進諸国はもちろんのこと、今後は、エマージング諸国も同様の課題に直面することが、高い確度で見込まれていることに言及したいと思います(図表8)8

  • 7 Keynes [1937] をご参照ください。
  • 8 白川[2011] をご参照ください。

人口動態と総需要

人口動態の変化は様々な経路を介して経済成長に影響します。まず、日本のように人口の減少に直面している国においては、生産年齢人口の減少が供給面の成長制約要因として作用します。人口動態要因は当面、所与の条件となるため、女性や高齢者の労働参加率を高めることが求められます。さらに、教育や職業訓練システムの改善を通じて、労働力の質を高めていくような方策も必要です。

人口動態の変化が総需要に与える影響についても、複雑な経路が存在することを認識する必要があります。現役世代の減少は消費を減少させる直接的な要因となります。一方、消費のライフサイクル・モデルによると、高齢化が進めば、高齢者が貯蓄を取り崩すことから、消費が押し上げられることが想定されています。実際、高齢者の支出パターンをみると、耐久消費財への支出を減らす一方、医療・介護といった健康的な生活を維持するためのサービスへの需要を高めることが、各国共通に一般的に観察されています。しかし、医療や介護といった分野は、公的規制の影響を大きく受けていることを忘れてはなりません。規制が社会の変化や技術の進展に応じて見直されず、高齢者の消費需要に合致したサービス供給が阻害される場合には、潜在的な需要は顕現化しない可能性があります。

以上を踏まえると、人口動態の変化期には、社会・経済制度が、様々な変化に対して柔軟に対応できることが、制度が安定的に存続するために不可欠な条件であると再認識できるかと思われます。こうした観点から、有権者の高齢化が進む中で、高齢者の選好を反映し、社会全体の選択がどのような影響を受けるのか留意していく必要があります(図表9)。

人口動態と景気循環

冒頭で申し上げた通り、3つ目の視点は、ブーム・バスト・サイクル(boom-bust cycles)と人口動態との相互作用の重要性を示唆しています。両者を関連付ける考え方として、例えば「支出の波(spending wave)」という仮説があります。この一見単純な仮説は、消費者が支出のピークを迎える年齢が45〜50歳前後であるとの想定のもとで、「ベビーブーマー世代が『支出のピーク』を迎える時期と、景気や資産価格のピーク時とが重なる傾向がある」と主張するものです。私の同僚である西村副総裁が指摘しているように、非現役世代1人に対して、何人の働き手が経済に存在しているかを示す指標である「逆従属人口比率」は、日米の不動産市場の動向と相関しています(図表10)9。また、若年層は住宅の買い手として市場に参入するため、若年層の増加が不動産投資ブームをもたらす、という類似的な研究も存在しています10。こうした全ての議論は、バブルや金融危機の分析においても、人口動態の影響を軽視してはならないことを示しています。

  • 9 Nishimura [2011]をご参照ください。
  • 10 Sterling and Waite [1998] をご参照ください。

5. 自然災害への対応

最後に取り上げる研究分野は、経済活動の観点からみた自然災害に対するリスク管理です。自然災害は、人類が有史以来戦ってきた普遍的なリスクです(図表11)。東日本大震災で失われた物的資本ストックの毀損額は、政府の推計によると、GDP比5%程度とされています。

論点は多岐にわたりますが、ここでは「自然災害による生産活動の大規模な混乱を回避ないし軽減するために、どの程度追加的なコストをかけるのが望ましいか」という論点に絞って議論したいと思います。この点に関して、すぐに思い浮かぶのは「在庫水準」と「集中のリスク」の2点です。日本の製造業は、ジャスト・イン・タイムとして知られる精緻な配送システムを構築し、継続的に中間製品の在庫圧縮を試みることで、競争力を高めてきました。その努力はGDP対比でみた在庫水準の趨勢的低下に表れています(図表12)。自然災害によって生産プロセスの一部が棄損した場合、最低限の中間製品の在庫しか持たない企業は、生産水準の急激な削減を余儀なくされます。既に触れましたが、東日本大震災の最中、サプライ・チェーンが寸断されたことで、在庫を持たないことのリスクが明らかになり、「ジャスト・イン・タイム対ジャスト・イン・ケース(just-in-time vs. just-in-case)」という図式が浮かび上がりました。

もちろん、望ましい在庫水準は引続き検討すべき論点ですが、今回の震災で明らかになった、それ以上に重要な論点は、「集中のリスク」であったように思います。ここで言う集中のリスクとは、複雑なサプライ・チェーン・ネットワークをたどると、特定地域の特定企業の部品に調達が依存していたということです。

在庫保有を増やすにも、調達先を分散するにも追加的なコストがかかります。無料で済むような都合のいい話(free lunch)はありません。この点に関連して、バロー教授は、自身の論文の中で、災害時の大幅な所得変動を回避しようとするために、平時に家計が支払うべき「保険料」はかなり大きいと述べています11。この問題は企業行動のレベルだけでなく、国家レベルでも重要です。例えば、一国の経済活動の一極集中は危険ですが、競争的な市場の下では、そうした費用は必ずしも内部化されるとは限らず、結果として、テイル・リスクが非効率に高まる可能性があります。ここでのまとめとしては、実務家、政策当局者、エコノミストが互いに協力して、大規模災害に対する広い意味での公的なリスク・シェアリングの制度を改善するために努力していくことが重要と言えます。

  • 11 Barro[2009]をご参照ください。

6. おわりに

ここまで、日本経済が直面する課題について議論して来ました。金融危機や自然災害といったテイル・リスクについては、マクロ経済学における既存研究が相対的に手薄な領域であり、今後の更なる進展が期待されます。また、人口動態の変化がもたらす帰結についても、探求すべき点は山積しています。例えば、人口減少を背景とする自然利子率の低下と整合的でない年金等の制度設計が「利回り追求」を誘発し、新たなバブルを招いてしまうといったことが起き得ます。この例が示すように、人口動態の変化に対し柔軟性を失ってしまった制度は問題です。既存の社会経済制度を見つめ直すことが求められています。今日、私がここで述べた課題に対する研究を深めるべき時であると思います。こうした問題意識を持ちつつ、今回のコンファランスを通じて学界と政策担当者との間で対話が一段と深まることを期待しています。ご清聴、ありがとうございました。

参考文献

  • 大谷聡・白塚重典・中久木雅之、「生産要素市場の歪みと国内経済調整」、『金融研究』第23巻第1号、日本銀行金融研究所、2004年、95〜126頁
  • 白川方明、「中央銀行と中央銀行業務の将来」、『金融研究』第29巻第4号、日本銀行金融研究所、2010年、19〜30頁
  • ________、「高度成長から安定成長へ—日本の経験と新興国経済への含意—」、フィンランド中央銀行創立200周年記念会議における発言の邦訳、2011年5月5日
  • Balke, Nathan S. and Robert J. Gordon, "The Estimation of Prewar GNP Volatility, 1869-1938," NBER Working Paper No.1999, National Bureau of Economic Research, 1986.
  • Barro, Robert J., “Rare Disasters, Asset Prices, and Welfare Costs,” American Economic Review, Vol. 99(1), pp. 243-264, 2009.
  • Bernanke, Ben S., “Nonmonetary Effects of the Financial Crisis in the Propagation of the Great Depression,” American Economic Review, Vol. 73(3), pp. 257-276, 1983.
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  • Bordo, Michael and Andrew Filardo, “Deflation in a Historical Perspective,” BIS Working Papers, No 186, 2005.
  • Friedman, Milton, “The Counter-Revolution in Monetary Theory: First Wincott Memorial Lecture, Delivered at Senate House, University of London, 16 September, 1970,” Institute of Economic Affairs Occasional Paper 33, 1970.
  • Keynes, John M., “Some Economic Consequences of a Declining Population,” Eugenics Review ,Vol.19, pp. 13-17, 1937.
  • Nishimura, Kiyohiko G., “This Time May Truly Be Different: Balance Sheet Adjustment under Population Ageing,” Remarks at the 2011 American Economic Association Meeting, January 7, 2011.
  • Reinhart, Carmen M. and Vincent R. Reinhart, “After the Fall,” Paper presented at the Federal Reserve Bank of Kansas City Economic Policy Symposium 2010, August 26-28, 2010.
  • Sterling, William P. and Stephen R. Waite, Boomernomics, Ballantine Books, 1998.