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小口決済の分野における中央銀行にとっての政策課題

支払・決済システム委員会による市中協議報告書

(日本銀行仮訳)

2002年 9月18日
国際決済銀行
支払・決済システム委員会

日本銀行から

 BISの支払・決済システム委員会では、小口決済システムに関する市中協議報告書「小口決済の分野における中央銀行にとっての政策課題」を公表しましたので、そのプレスリリースおよび読者への注記の仮訳を掲載します。

 本報告書に関するご質問等がございましたら、信用機構室決済システム課(直通03-3277-1096 松本)までご照会下さい。なお、プレスリリース、読者への注記および報告書の原文(英語)はBISのウェブ・サイト(外部サイトへのリンク)に掲載されておりますので、併せてご参照下さい。

プレスリリース

 本日、BISの支払・決済システム委員会は、市中協議報告書「小口決済の分野における中央銀行にとっての政策課題」を公表する(BISのウェブ・サイト(外部サイトへのリンク)で入手可能である)。本報告書は、支払・決済システム委員会が設置したリテールペインメント小委員会により作成された。同小委員会は、G10各国とオーストラリアの中央銀行および欧州中央銀行の決済システムに関する専門家により構成されている。全ての関係者からのコメントは2002年12月13日まで受け付けられる。

 市中協議報告書は、小口取引における交換手段として、効率的で安全にマネーが使用されることの重要性に焦点を当てている。これは、通貨の本質的な機能であり、人々が通貨に対して有する信用の基礎である。さらに、小口決済システムおよび小口決済手段は、金融システムの有効性・安定性(特に消費者の信認や商取引の機能)に多大な貢献をしている。これらの理由から、小口決済システムの効率性および安定性は中央銀行にとっての関心事項である。

 本報告書は、消費者および小額の商業決済市場における最近の動向を特定しているほか、これに関連する中央銀行にとっての政策課題について検討している。小委員会に参加した中央銀行は、多様な方法で小口決済の分野に関与しているが、本報告書では、サービスを提供する主体、決済システムをオーバーサイトする主体および民間部門による対応を促進するような活動を行う主体という3つに区別して記述している。各中央銀行の果たすべき役割の違い、特に中央銀行を含む当局間の責務および権限の配分や中央銀行と民間部門それぞれの役割の違いが議論されている。

 本報告書は、小口決済市場における効率性および安全性を維持、促進するための4つの公共政策目標を掲げており、それらは、(i)法的および監督上の枠組み、(ii)市場構造およびパフォーマンス、(iii)標準とインフラ、および(iv)中央銀行サービス、に関連している。4番目の目標は中央銀行にのみ関係するが、最初の3つの目標は小口決済の効率性、安全性に関心を有する他の当局にも関係しうるものである。

 本報告書は、これらの目標を達成するために中央銀行が貢献できることを検討し、中央銀行の採りうる一連の行動を特定している。一部の行動は、全ての中央銀行が採るべき最低限の行動として勧奨されている。また、最低限の行動を超えるものとして、特定の市場の状況における政策対応として適切と考えられ、一部の中央銀行にとって採用可能と考えられる他の選択肢が特定されている。勧奨されている最低限の行動は、市場のモニターおよび中央銀行による民間、公的部門の双方に対する協調的で助言的なアプローチの重要性を強調している。

 中央銀行は、小口決済の分野における効率性、安全性を実現し維持するための第一義的な原動力は市場原理であるべきとの見方を共有している。しかしながら、市場は持続的な障害に遭遇しうることから、常に効率的で安全な結果を適切にもたらすとは限らないことを認識している。

 本報告書の結論がより広範なグループの国々に関係する可能性がある点についても簡潔に記述されている。本報告書は、中央銀行および民間部門それぞれの適切な役割を判断するうえで、小口決済市場の発展度合いが関係する要因となりうること、従って、新興市場経済では、少なくとも短期的には、中央銀行は事前に積極的に行動するというアプローチを採用する必要がありうることを提案している。

コメントの送り先は下記のとおりである。

住所:Committee on Payment and Settlement Systems
Bank for International Settlements
CH-4002 Basel Switzerland

電子メール:cpss@bis.org、ファックス:+41 61 280 9100

報道機関向けの注記

  1. 支払・決済システム委員会は、G10各国の中央銀行が支払・決済の仕組みの発展状況をモニター・分析し、関連する政策課題を検討するフォーラムである。同委員会の活動への非G10諸国の中央銀行の参加も増えてきている。支払・決済システム委員会議長は、欧州中央銀行理事のトマソ・パドア=スキオッパである。同委員会事務局(事務局長はマーク・ホランダーズ)は、BISが務めている。
  2. リテールペイメント小委員会議長は、イタリア中央銀行のカルロ・トレソルディである。同小委員会の参加者リストは市中協議報告書(原文)のAppendix Cにある。同小委員会は、これまでに2つの報告書(「主要国における小口決済:比較調査」(1999年9月)および「主要国における小口決済:クリアリング・決済の仕組み」(2000年9月))を作成し、公表している。これらの報告書は、支払・決済システム委員会の他の全ての公表物一覧とともに、BISのウェブ・サイト(外部サイトへのリンク)より入手可能である

読者への注記

 この市中協議報告書は、小口決済市場における最近の動向から導かれる、中央銀行にとっての政策課題について検討するものである。本報告書は、小口決済市場における効率性および安全性を維持、促進するための公共政策目標を4つ掲げている。これらの政策目標は、中央銀行を対象としたものであるが、この分野の効率性、安全性に関心を有する他の当局にも関係しうるものである。また、本報告書は、これらの政策目標を達成するために中央銀行が採りうる一連の行動を特定し、その一部を全ての中央銀行が採るべき最低限の行動として勧奨している。

 本報告書は、支払・決済システム委員会が設置した小委員会により作成された。同小委員会は、G10各国とオーストラリアの中央銀行および欧州中央銀行の決済システムに関する専門家により構成されている。同小委員会がこれまでに作成した2つの報告書(「主要国における小口決済:比較調査」(1999年9月)および「主要国における小口決済:クリアリング・決済の仕組み」(2000年9月))は、いずれも公表されている。これらの報告書は、BISのウェブ・サイト(外部サイトへのリンク)より入手可能である。

 市中協議は2002年12月13日まで行われ、関係者には本報告書のいかなる部分であってもコメントを下さるようお願いする。ただし、支払・決済システム委員会は、報告書を完成する助けとするため、以下の点に関する意見や提案を特に歓迎する。

  1. 本報告書は、小口決済市場における主要な最近の動向のうち、小口決済システムおよび小口決済手段の効率性、安全性に関係するものを正確に特定しているでしょうか。最近の動向のうち重大な欠落と思われるものがあれば記述して下さい。
  2. 本報告書は、小口決済市場における最近の動向から導かれる、中央銀行にとっての主要な政策課題を十分に分析しているでしょうか。重大な誤りまたは欠落と思われる点を記述して下さい。
  3. 本報告書に掲げられた4つの政策目標は適切なものとなっているでしょうか。もし適切でないものがあると考えられるならば、その理由を説明して下さい。また、もし他に適切な目標があるという意見であるならば、その目標が何かを記述するとともに、その理由を説明して下さい。
  4. 本報告書は、公共政策目標を達成するために中央銀行が採りうる適切な一連の行動を特定しているでしょうか。その中で、勧奨されている最低限の行動は、全ての中央銀行が実践的に寄与できる最低限の行動として適切なものとなっているでしょうか。また、最低限の行動を超えるものとして特定されている行動を、一部の中央銀行が特定の市場の状況における政策対応として採用することを検討することは適切でしょうか。もし適切でないものがあると考えられるならば、その理由を説明して下さい。もし他の可能性が含まれるべきであるという意見であるならば、それを記述するとともに、その理由を説明して下さい。
  5. 本報告書は、国境を越える小口決済を行うための主要な手段を正確に特定しているでしょうか。重大な欠落があれば記述して下さい。また、本報告書は、クロスボーダーの小口決済市場の主要な動向を正確に特定し、この市場の効率性、安全性に対する含意を十分に分析しているでしょうか。こうした特定や分析に関係すると考えられる補足的な情報があれば提供して下さい。特に、原文4.3.1に引用されているクロスボーダーの決済市場の規模に関するデータを、実証または反証する情報を提供して下さい。

 全ての関係者からのコメントは2002年12月13日まで受け付けられる。コメントの送り先は下記のとおりである。

住所:Committee on Payment and Settlement Systems
Bank for International Settlements
CH-4002 Basel Switzerland

電子メール:cpss@bis.org、ファックス:+41 61 280 9100