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EMEAPメンバー中央銀行によるアジア・ボンド・ファンドの創設

2003年 6月 2日
EMEAP

日本銀行仮訳

EMEAP プレス・ステートメント

 EMEAP(外部サイトへのリンク)1Executives' Meeting of East Asia-Pacific Central Banks)メンバー中央銀行は、アジア・ボンド・ファンド(ABF、Asian Bond Fund)を共同で創設する。ABFは、EMEAP各国(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く8ヶ国・地域)の発行体の米ドル建てソブリン・準ソブリン債で運用されるファンドで、発足時は10億米ドル程度の規模となる予定。全てのEMEAPメンバーは、同ファンドに投資することに大筋で合意している。運用受託者は、国際決済銀行(BIS、Bank for International Settlements)。BISは、特定のベンチマークを使用し、パッシブスタイルでの運用を行う。アジア・ボンド・ファンドの運用は近日中に開始される予定で、同ファンドの運用モニタリングについては、EMEAPメンバーにより設立された監視委員会(Oversight Committee)が行う。

 ABFの創設は、アジアにおける債券市場育成を目的とした地域協力の重要なステップである。EMEAPはこれまでも域内金融仲介機能の強化に向けて積極的に取り組んできた。ABFの創設により、アジアの豊富な外貨準備の一部が域内の債券市場に還流することになる。また、当ファンドは、アジアの中銀が保有する外貨資産のリスク分散に寄与すると共に、収益性向上にも資するものである。

 EMEAPでは、域内債券市場の更なる育成に寄与するため、米ドル建て債券で構成されるABFの発行後は、アジア通貨建て債券で構成されるABFについても検討を開始する予定である。

  1. 正式名称は、東アジア・オセアニア中央銀行役員会議。オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイの11ヶ国・地域の中央銀行・通貨当局から構成される。