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第4回EMEAP総裁会議 プレス・ステートメント

(日本銀行仮訳)

1999年 7月 9日
日本銀行国際局

  1. 7月9日、香港において第4回EMEAP1総裁会議が開催された。会議は、香港金融庁のJoseph Yam長官が議長を務めた。

  2. 総裁達は、最近における域内各国の経済・金融情勢を概観し、経済回復の明るい兆しおよびアジアの金融市場に安定が戻りつつあることに留意した。しかしながら、総裁達は、域内経済の持続的な回復のためには、適切なマクロ経済政策の実施と構造改革への継続的な取組みが必要であることについて合意した。また、総裁達は、先進国の持続的かつ安定的な成長および主要通貨、金融市場の安定といった国際的環境のサポートを求めた。
  3. 総裁達は、オークランド(ニュージーランド)とメルボルン(オーストラリア)において開催された2つのDeputies会合に関する報告および銀行監督ワーキング・グループ、金融市場ワーキング・グループ、決済システム ワーキング・グループの3つのワーキング・グループから活動報告を受け取った。総裁達は、中央銀行機能の各分野における協力と前進についてコミットしていくことを再確認した。
  4. 国際金融システムの強化に関して、総裁達は、各種の国際フォーラムにおいて透明性と情報開示の強化およびカウンターパーティー・リスク管理の向上について進展が見られたことに留意した。各国や各種国際機関の取組みを調整するためのFinancial Stability Forum (金融安定化フォーラム:FSF)の設立を歓迎した。総裁達は、FSFが設立した、レバレッジの高い業務を行う機関、短期の資本移動、オフショア金融センターに関する3つのワーキング・グループによる検討を支持した。総裁達は、これらの検討は、レバレッジの高い業務を行う機関の行動による潜在的に混乱を招きかねない影響 ——特に、小規模・中規模の金融市場のマーケット・ダイナミックスに対する影響 —— に対処する上で役立つであろうと考えた。
  5. 総裁達は、国際金融アーキテクチャーを改革する過程において、EMEAP諸国が適切に関与していく必要性を強調した。従って、金融安定化フォーラムとそのワーキング・グループに域内の一部国が含まれたことを歓迎し、他の新興市場国の幅広い参加を望む。
  6. 最後に、総裁達は、EMEAPメンバーが2000年問題への対応において多くの進展をみせていることに留意し、地域レベルおよび国際レベルで協力し合うことを再確認した。
  7. 総裁達は、次回の総裁会議を、2000年7月7日に韓国で開催することで合意した。
  1. EMEAPとは、Executives' Meeting of East Asia-Pacific Central Banks(東アジア・オセアニア中央銀行役員会議)の略称であり、オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイの11か国・地域の中央銀行および金融当局で構成される協力組識である。

以上