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EMEAPメンバー中央銀行、アジア・ボンド・ファンドに再投資(日本銀行仮訳)

2016年7月1日
EMEAP

(仮訳)EMEAPプレス・ステートメント

EMEAP1Executives' Meeting of East Asia-Pacific central banks)(外部サイトへのリンク)メンバー中央銀行は現地通貨建て債券市場の発展に向け、米ドル建て債券ファンドを償還させ、償還金を現地通貨建て債券ファンドに再投資する。

EMEAPメンバー中央銀行は、現地通貨建て債券市場の発展を支援すると共に、EMEAPメンバー中央銀行による外貨準備の運用手段として、域内に分散投資する商品を提供することを目的にアジア・ボンド・ファンド(ABF)イニシアティブを設立した。

ABF1は、ABF2への足掛かり(stepping stone)として2003年に創設され、EMEAPメンバー中央銀行による域内協力の枠組み整備に貢献してきた。ABF1の運用は、EMEAPメンバー中央銀行の代理として国際決済銀行(Bank for International Settlements、BIS)が受託している。ABF1はEMEAP各国・地域(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く8ヶ国・地域)の発行体の米ドル建てソブリン・準ソブリン債に投資している。ABF2は、汎アジア債券インデックス・ファンド(Pan-Asia Bond Index Fund、PAIF)および8つの各国ファンド(Single-market Funds)で構成され、投資の管理者(Fund Administrator)であるBISの下で、民間のファンドマネージャーが運用を受託している。ABF2は上記発行体の現地通貨建てソブリン・準ソブリン債に投資している。

ABF1の創設以来、アジアの現地通貨建て債券市場は着実な発展を遂げ、域内に現地通貨建ての資金調達手段および貯蓄手段を提供してきた。2003年から2015年にかけて、日本を除くアジアにおける現地通貨建て債券の発行額は約1,250億ドルから1兆ドル超へとおよそ8倍に拡大した。

EMEAPメンバー中央銀行は、ABF1が所期の目的を達成したと判断したことから、ABF1を償還することに本年4月に合意した。その償還金はABF2へ再投資される。作業の円滑化とマーケット・インパクトの最小化のため、再投資は数ヶ月かけて行われる。

EMEAPメンバー中央銀行は、ABFイニシアティブの推進に引き続き一丸となって取り組む。EMEAP ABF監視委員会(EMEAP ABF Oversight Committee)では、ABF2への再投資に加えて、域内の現地通貨建て債券市場の更なる発展に向けて、ABFイニシアティブの下で行い得る新たな施策の検討を続けている。

  1. 正式名称は、東アジア・オセアニア中央銀行役員会議。オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイの11ヶ国・地域の中央銀行・通貨当局から構成される。