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EMEAPメンバー中央銀行、PAIF債券貸出1の開始を発表(日本銀行仮訳)

2018年6月26日
EMEAP

(仮訳)EMEAPプレス・ステートメント

EMEAPExecutives' Meeting of East Asia-Pacific Central Banks2メンバー中央銀行は、アジア・ボンド・ファンド(ABF)3のうち汎アジア債券インデックス・ファンド(Pan-Asia Bond Index Fund、PAIF)4が保有する債券の貸し出しを始めることを発表する。2018年7月10日より、PAIFの保有する一部の現地通貨建て債券は、EMEAP地域での債券貸出市場において貸出可能となる。

EMEAPメンバー中央銀行は、ABFイニシアティブを積極的に推進し、域内において効率的な金融仲介が行われるように取り組んできた。ABFは、市場インフラの整備、クロスボーダー投資の促進へ向けた税制や規制の改革加速、アジアの債券に対する投資家の認知度向上、といった面で触媒的な役割を果たしてきた。ABFを創設した2003年5と比べると、アジアの現地通貨建て債券市場の規模はおよそ8倍、10兆ドル超へと拡大し、より多くの現地通貨建て資金調達および投資の手段を提供してきた。

PAIF債券貸出の開始は、ABFイニシアティブにおける新たな1ページを開くものである。EMEAPメンバー中央銀行は、PAIF債券貸出が流通市場における現地通貨建て債券の流動性を向上させると考えている。これは、域内債券市場の拡大・深化を図るというEMEAPメンバー中央銀行が共有する目的に合致するものである。また、PAIF債券貸出は域内短期金融市場の機能強化にも資すると考えられる。

EMEAPメンバー中央銀行は、域内における様々なイニシアティブとの協力を継続し、域内債券市場の発展に取り組む。また、PAIF債券貸出が域内債券市場の流動性向上と機能強化の両面で成功を収めるように関係当局や市場関係者と連携していく。EMEAPメンバー中央銀行は、ABFイニシアティブの推進に引き続き一丸となって取り組んでいく。

  1. PAIF債券貸出に関する詳細については、<参考 [PDF 114KB]>参照。
  2. 正式名称は、東アジア・オセアニア中央銀行役員会議。オーストラリア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイの11ヶ国・地域の中央銀行・通貨当局から構成される。
  3. ABFイニシアティブ(www.emeap.org/index.php/about-emeap)は、ABF1とABF2から構成されている。ABF1は2016年に償還され、ABF2へ再投資された。ABF2は、汎アジア債券インデックス・ファンド(Pan-Asia Bond Index Fund、PAIF)および8つの各国ファンド(Single-market Funds)で構成され、投資の管理者(Fund Administrator)であるBISの下で、民間のファンドマネージャーが運用を受託している。ABF2はEMEAP各国・地域(オーストラリア、日本、ニュージーランドを除く8ヶ国・地域)の発行体の現地通貨建てソブリン・準ソブリン債に投資している。
  4. PAIFは、ABFを構成するファンドであり、上記発行体の現地通貨建てソブリン・準ソブリン債に投資している。なお、同ファンドはパッシブ運用がなされている。
  5. EMEAPメンバー中央銀行は、1997年に発生したアジア通貨危機の教訓からアジア債券市場の育成に向けた機運が高まったことを受け、中央銀行間協力の一環として2003年にABFを創設した。

照会先

国際局国際連携課

Tel : 03-3277-3561