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当面の金融政策運営について

1998年 9月 9日
日本銀行

金融市場調節方針の変更について

  1. (1)日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、金融市場調節方針を一段と緩和し、以下のとおりとすることを決定した(賛成多数)。
    無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて0.25%前後で推移するよう促す。
    なお、金融市場の安定を維持するうえで必要と判断されるような場合には、上記のコールレート誘導目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。
  2. (2)わが国の景気は全般に悪化を続けており、物価も軟調に推移している。金融面でも、民間銀行貸出が減少を続けるなかで、マネーサプライの伸びは緩やかなものとなっている。この間、金融資本市場では、金利のリスクプレミアムや株価などに不安定な動きがみられる。
    今後、総合経済対策の実施等によって、景気のさらなる悪化には徐々に歯止めがかかるものと期待される。しかし、経済活動の水準はすでに相当低下している。また最近の金融資本市場の動向や企業倒産の増加等が、企業や家計のコンフィデンスを一層低下させるおそれがある。これらを踏まえると、先行き、景気や物価がさらに下振れる可能性も必ずしも否定できない。
  3. (3)日本銀行は、インフレでもデフレでもない、「物価の安定」を金融政策運営の目標としている。上記のような金融経済情勢を踏まえて、日本銀行は、経済がデフレスパイラルに陥ることを未然に防止し、景気悪化に歯止めをかけることをより確実にするため、この際、上記の金融緩和措置を採ることが適当と判断した。
  4. (4)日本銀行としては、上記の金融政策運営方針のもとで、引き続き潤沢な資金供給に努め、これを通じて、金融市場の安定に万全を期すとともに、マネーサプライの拡大を促していく考えである。
  5. (5)日本経済にとって、現在、景気の回復と金融システムの建て直しは、一刻の猶予もならない課題である。今回の金融緩和措置が、これらの課題の克服にも資することを期待するとともに、関係各方面が一丸となって取組み強化を図られることを強く期待する。

以上


(参考)

開催時間
9:01~12:33
14:35~17:41
出席委員
議長 速水 優(総裁)
藤原 作弥(副総裁)
山口 泰 (副総裁)
後藤 康夫(審議委員)
武富 将 (任命委員)
三木 利夫(任命委員)
中原 伸之(任命委員)
篠塚 英子(任命委員)
植田 和男(任命委員)

上記のほか、
谷垣禎一大蔵政務次官( 9:01~10:09)
今井宏経済企画政務次官( 9:01~)
が出席。

金融経済月報の公表日時
9月11日(金) 9:20
議事要旨の公表日時
10月16日(金)14:00

以上