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企業金融円滑化策について

2002年12月17日
日本銀行

  1. 日本銀行は、10月30日の金融政策決定会合での討議を受け、企業金融の円滑確保のため、一段の工夫を講じる余地がないかを検討してきたが、本日、以下の措置を講じることを決定した。
    1. (1)証書貸付債権の担保拡大
      貸付期間3年以内の証書貸付債権の担保掛け目を引き上げるとともに、貸付期間5年超10年以内の証書貸付債権を新たに適格担保に加える(従来は5年以内)。
    2. (2)資産担保コマーシャル・ペーパー(ABCP)の適格基準の緩和
      日本銀行取引先の保証するABCPは、担保および現先オペの対象資産として原則不適格であるが、2004年度末までの時限措置として適格の扱いとする。
  2. 日本銀行による潤沢な資金供給は、金融機関の流動性調達の不安を取り除くことを通じて、貸出を行いやすい環境を整備する効果を有している。また、既に行っている社債等の企業債務の担保受け入れやCP現先オペも、企業金融の円滑確保に相応の寄与をしている。
  3. 日本銀行としては、今回の措置が金融機関の企業向け証書貸付債権やABCPのリファイナンスを容易にすることを通じて、企業金融の円滑化やABCP市場の発展に寄与する効果を期待している。なお、ABCP、資産担保債券(ABS)等の証券化市場の発展に向けて、制度面の見直しが進むことが期待される。
  4. 日本銀行としては、不良債権処理の加速の影響も含め、企業金融の動向を今後とも注視していく方針である。

以上