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わが国短期金融市場の動向——東京短期金融市場サーベイ(19/8月)の結果——

2019年10月18日
日本銀行金融市場局

はじめに

日本銀行金融市場局は2008年以降、わが国短期金融市場の取引動向などを把握するため、「東京短期金融市場サーベイ」を実施している。このサーベイは当初は隔年で実施していたが、市場動向をより的確にフォローする観点から、2013年より毎年実施することとしており、本年8月、第10回目となる調査を実施した(調査基準時点は本年7月末)。

今回のサーベイは、従来同様、日本銀行のオペレーション対象先および短期金融市場の主要な参加者を対象として実施している。今回のサーベイの調査対象先は302先となっている(回答率100%)。

日本銀行金融市場局は、今回のサーベイ結果を短期金融市場の動向把握のために有効に活用していくとともに、「債券市場サーベイ」なども併せ用いながら、金融市場の状況や構造変化の包括的かつ多面的な把握に努めていく考えである。また、「市場調節に関する意見交換会」や、「債券市場参加者会合」などの機会も活用しつつ、市場参加者の方々と対話を重ねながら、短期金融市場も含めたわが国金融市場の活性化に向けた関係者の取り組みを積極的に支援するとともに、自らも中央銀行の立場から、可能な限りの貢献を果たしてまいりたいと考えている。

概要

短期金融市場の取引残高は、資金調達残高・資金運用残高とも、前年と比べて増加した。

この背景としては、日銀当座預金の3層構造を利用した裁定取引が定着している中、(1)2018年7月末の金融政策決定会合において決定された、政策金利残高の見直しの影響もあって、短期市場での資金調達ニーズが増加したほか、(2)GCレポレートが短期政策金利である - 0.1%を上回って推移する局面が多くみられるもとで、裁定目的での資金運用が増加したこと、(3)株券等貸借取引による余資の増加等を受けて、投資信託が資金運用を積極化したことが挙げられる。

取引種類別にみると、コール(無担保・有担保)取引、レポ取引ともに残高が前年比大きく増加した。

短期金融市場の機能度については、前年と比べて「低下した」との回答割合が低下し、全体の8割超の先が「概ね変わらない」と回答した。

日本銀行としては、今後とも短期金融市場の動向を、日々のモニタリング活動や本サーベイ、市場参加者との対話などを通じて、適切にフォローしていく考えである。

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融市場局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

照会先

金融市場局市場企画課市場整備グループ

E-mail : post.fmd35@boj.or.jp