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第22回決済システムフォーラムの議事の概要

2026年5月20日
日本銀行

日本銀行では、わが国の決済システムを巡る実務面の諸課題について、主要な金融市場インフラ運営主体との間で情報・意見の交換を行うことを目的として、第22回決済システムフォーラムを対面形式で開催した。今次会合では、海外の動向を踏まえつつ、金融市場インフラにおける新技術の活用に向けた取り組み等について議論を行った。

開催要領

開催日時:2026年4月17日(金)15:00から18:00

場所:日本銀行本店

出席者 [PDF 133KB]

議題

  1. 開会挨拶
  2. FMIからのプレゼンテーション(金融市場インフラにおける新技術の活用に向けた取り組み等)
  3. 日本銀行からのプレゼンテーション(海外の金融市場インフラにおける新技術の活用状況)とディスカッション

    AIやクラウドの活用、DLT/トークン化の取り組み

  4. 閉会挨拶

1.開会挨拶の要旨(日本銀行決済機構局担当理事 神山一成)

決済システムフォーラムは今回で22回目を迎えました。対面形式での開催は、2018年以来8年ぶりとなります。

私自身は2022年に決済機構局長として在任していた際、本フォーラムに一度参加しました。当時から4年あまりが経過していますが、この間の金融市場インフラを取り巻く環境については大きな変化があります。例えば、決済事務の効率化や不正検知の強化を目的としたAIの活用や、マネーやアセットをトークン化して分散型台帳技術(DLT)基盤上で利用可能とする取り組みがみられます。また、セキュリティや柔軟性の向上を目的にシステムのクラウド利用を進める動きも進展しています。

新技術を金融市場インフラが取り込み、新たな金融エコシステムを作るためには、新技術を取り込んだサービスが従前と同等かそれ以上に安全かつ効率的なものであることが求められます。そのためには、当該決済サービスの提供に関わる事業者や業界、当局を含む幅広いステークホルダー間の連携が不可欠です。こうした点を踏まえ、今回の決済システムフォーラムのテーマについては、「金融市場インフラにおける新技術の活用」としました。

本日は皆様との忌憚のない意見交換を通じて、わが国決済システムの安全性や効率性を一層高めるべく、新技術をどのように活用していけばよいか、問題意識を深める良い機会にしたいと考えております。

2.FMIからのプレゼンテーション(金融市場インフラにおける新技術の活用に向けた取り組み等)

  1. (1)全国銀行資金決済ネットワーク
  2. (2)日本証券クリアリング機構
    • 資料(日本証券クリアリング機構)に沿って、商品先物決済におけるDLTの利用、デジタル資産の担保管理に係る実証実験の実施、CDM(Common Domain Model)の利用と規制報告のデジタル化、および、AIの利用等について説明。
    • 資料(日本証券クリアリング機構) [PDF 1,195KB]

3.日本銀行からのプレゼンテーション(海外の金融市場インフラにおける新技術の活用状況)とディスカッション

日本銀行決済機構局から、海外の金融市場インフラにおける、AIやクラウドの活用、DLT/トークン化の取り組み等の新技術の活用状況について説明した後、それぞれのテーマについてディスカッションが行われた。

ディスカッションでは、AIの活用に関して、業務効率化といったメリットを踏まえると将来的に一定のコア業務へのAI活用拡大は避けられないとの見方が示された一方で、AIが提示する判断の根拠を明確にし、人間が確認・検証できる形で運用することや、AIガバナンスの重要性を強調する意見もみられた。クラウドの活用に関しては、クラウドへ移行する際の判断軸(コスト面での優位性や各FMIの業務特性、クラウド事業者からの情報提供)等について議論されたほか、クラウド事業者への依存や集中リスクは解決が難しい課題との指摘もみられた。DLT/トークン化については、その実現に向けて、法制度の整備が課題との指摘が強調されたほか、既存のインフラと新たなシステムをどのように共存させ、市場参加者にとっての負荷やリスクを抑えた移行を実現するかといった点に留意すべきとの指摘もみられた。