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決済と決済システムを理解するためのキーポイント《基礎編》テーマ1.決済の目的

この章のキーワード:
「取引」、「決済」、「債権・債務」、「信用リスク」、「流動性リスク」
  • 各項目のタイトルをクリックすると「決済の原理」の関連部分にリンクしています。

決済とはどういうことか

私たちは毎日いろいろな「取引」をしています。「取引」を行うと、おかねや品物等を支払ったり引き渡したりする義務(相手側からみれば受け取る権利)が生じます(これらを債権・債務と呼びます)。決済とは、一般的には、これら債権・債務のうちおかねに関するものについて、実際におかねの受渡しをして債権・債務を解消することを言います。

手を広げている人のイラスト 例えば、皆さんが車を買う取引をすると、皆さんは車を受け取る代わりに、代金を支払う債務を負う一方、取引相手は皆さんから代金を受け取る債権を持つことになります。

決済する理由

決済をする目的は、大きく分けて2つ考えられます。1つは、おかねを払ってくれるはずだった相手が倒産したりして、自分が受け取れると期待していたおかねが永久に受け取れなくなって、損をしてしまう可能性(これを「信用リスク」と言います)を小さくすることです。

もう1つは、人から受け取れるはずだったおかねが、自分が使いたいタイミングまでに払ってもらえず、その結果、自分が支払わなければならない支払が行えなくなる可能性(これを「流動性リスク」と言います)を小さくすることです。

手を広げている人のイラスト 決済とは、おかねを受払いして「相手はおかねを払ってくれるのだろうか」など不安だった気持ちから解放されて「決まり」がつく、というようなことなのでしょう。