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2016年度の銀行・信用金庫決算

2017年7月21日
日本銀行金融機構局

要旨

2016年度の銀行・信用金庫決算の特徴は、次の3点である。

第一に、当期純利益は、大手行、地域銀行、信用金庫のいずれの業態でも、減益となった。国内の貸出利鞘の縮小が続き、資金利益が減少したことに加えて、大手行や地域銀行を中心に、米長期金利の上昇の影響で米国債の売却損が発生したことが、減益の主因となった。一方、信用コストの低位安定のほか、大手行や地域銀行における株式関係損益の益超幅の拡大(政策投資株式の売却等)は、収益を下支えした。

第二に、基礎的収益力を示すコア業務純益は、いずれの業態でも減少し、地域銀行と信用金庫では、減少ペースが幾分加速した。この背景としては、(1)国内貸出利鞘の縮小に伴う資金利益の減少に加えて、(2)投資信託や保険等の金融商品の販売手数料が減少したこと等が挙げられる。

第三に、金融機関の財務の健全性は全体として維持されている。信用コストの発生状況をみると、大手行では、国内の一部大口先向けに貸倒引当金の繰入が発生したものの、海外資源関連に係る貸倒引当金の繰入が大きく減少したため、信用コストの総額は低位な水準に止まった。地域銀行、信用金庫も、信用コストは抑制された状況が続いた。この間、自己資本は、内部留保の蓄積から、大手行を中心に増加が続いた。

日本銀行から

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照会先

金融機構局金融第1課、金融第2課

E-mail : post.fsbe2@boj.or.jp