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2013年度銀行決算の概要

2014年8月8日
日本銀行金融機構局

要旨

2013年度の当期純利益は、大手行で前年比約5%、地域銀行で約3割の増益となった。地域銀行では、2005年度の過去最高益を上回った。

こうした増益の背景には、国内景気が緩やかな回復を続ける中、資産内容の改善に伴い信用コストが大幅に低下したことに加え、幅広い項目で株価の上昇が利益の押し上げ要因として寄与したことがある。

すなわち、信用コストについては、不良債権の新規発生の減少や引当率の低下等から、大手行で戻入益が発生したほか、地域銀行でも大きく低下し、増益に寄与した。また、株価の上昇は、(1)償却損(減損)の減少と売却益の増加に伴う株式関係損益の改善に加えて、(2)保有投信の解約益等の増加(資金利益の増加)、(3)投信販売手数料の増加(非資金利益の増加)を通じて利益を押し上げた。

この間、国内の貸出利鞘は縮小を続けた。このため、貸出残高は増加したものの、国内業務部門における基礎的な収益力の低下傾向には歯止めがかかっていない。特に地域銀行では、国際業務部門の貸出増加が増益に貢献している大手行とは異なり、こうした傾向が強い。

日本銀行から

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照会先

金融機構局金融第1課

鴛海

Tel : 03-3279-1111