需給ギャップ・潜在成長率の見直しと労働需給関連指標の補完的活用について
2026年3月26日
日本銀行調査統計局
要旨
本稿では、日本銀行調査統計局が定期的に公表している需給ギャップと潜在成長率について、GDP統計の2020年基準への改定や近年の経済構造の変化などを踏まえて、推計方法の見直しを行った。主な変更としては、(1)資本稼働率について、使用するデータを数量ベースから付加価値ベースへと変更することで、製造業で発生していたとみられる下方バイアスを修正したほか、(2)構造失業率についても、公的求人サービスから民間求人サービスへの近年のシフトを踏まえ、労働市場のミスマッチをより的確に捉えられるよう推計方法を変更した。(3)潜在成長率についても、2020年基準のGDP・資本ストック統計を用いて算出したTFP成長率を用いて再推計を行った。
需給ギャップの推計値を用いてマクロ的な需給バランスを把握することは、経済・物価情勢を的確に判断していくうえで引き続き重要ではあるが、近年は労働供給制約の強まりを背景に、労働投入量の変動や労働市場の需給バランスが、労働集約的なセクターの経済活動や物価動向に及ぼす影響度合いが大きくなっているように窺われる。こうした状況を踏まえ、本稿では、賃金・物価の予測力という観点からみて、需給ギャップと補完的にモニタリングしていくことが適当とみられる労働需給関連指標についても、簡単に実証的な検討を行っている。
日本銀行から
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照会先
調査統計局経済調査課景気動向グループ
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