このページの本文へ移動

90年代後半におけるわが国金融構造の変化に関する考察

〜リスクマネーの源泉と市場の活性化〜

2001年11月28日
馬場直彦
西崎健司
稲村保成
清水季子

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr01j11.pdf 163KB) から入手できます。

要旨

 1990年代後半以降、わが国の金融構造は変化を示している。金融市場では、97〜98年の金融危機を経て、“ビッグバン”の成果が徐々に顕現化しつつある。90年代を通じて家計の資金は預貯金に向かい、これを原資として政府がリスクマネー(企業向けのリスクを伴う投資資金)を提供する主体となった。政府の資金調達の場である国債市場では、ここ数年の市場整備の取り組みが奏効し、市場流動性が向上しつつある。株式市場においては、規制緩和の進展を背景に海外からリスクマネーが流入した。将来のわが国経済の成長を支えるためには、市場を経由したリスクマネー提供チャネルの拡充が不可欠であり、そうした資金の流れを支える市場活性化への取り組みを着実に進めていくことが重要である。