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本邦外国為替証拠金(FX)取引の最近の動向

2016年6月10日
金融市場局 新見朋広

要旨

本邦の外国為替証拠金(FX)取引は、近年の東京外国為替市場において大きな存在感を有している。本邦FX投資家は、(1)短期的な相場変動と反対方向にポジションを取る「逆張り」戦略を採ることが多く、相場水準が急変しない限りにおいては相場変動を抑制する要因となっている一方、(2)基本的に「円売り・外貨買い」主体であることから、円高急進時に強制ロスカットの執行を通じ相場変動を増幅させる場合もある。ここ数年はビッド・オファー・スプレッドが縮小する中で「スキャルピング」と呼ばれる個人による高速・高頻度取引が広がっているほか、2015年1月の「スイスフラン・ショック」が契機となりFX会社のリスク管理のあり方にも変化が生じている。今後とも、為替相場を分析する上では、FX取引手法の特徴・変化やポジション動向等について注意深くモニタリングしていくことが重要である。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆担当者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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