このページの本文へ移動

短観における「研究開発投資」の見方―データの特徴点やクセを中心に―

2023年1月25日

調査統計局 増島綾子、鷲見和昭

要旨

短観では、2017年3月調査より、研究開発投資額を公表している。これまでに一定程度のデータが蓄積されたため、本稿では、統計ユーザーの利用促進の観点から、データの特徴点やクセを紹介する。短観は、研究開発に関する他の代表的な統計と比べ、先行きに関する計画値を調査しているほか、同一サンプルでの項目比較やクロス集計が可能となっている。実際のデータから、(1)研究開発投資の金額シェアおよび実施先比率は、製造業・大企業で際立って高い点や(2)計画値の足取りは、設備投資に比べ、修正率が小さい傾向が確認された。こうした点は既存統計では必ずしも定量的に把握できなかった点であり、今後、更なるデータの蓄積により研究開発に関する分析の進展が期待される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行調査統計局(代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。