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貸出モデルの転換に向けた制度設計のあり方

(日経ビジネス 2002年12月 9日付 1170号掲載)

2002年12月18日
宮内篤

日本銀行から

考査局ワーキングペーパーシリーズは、考査局のスタッフによる調査・研究成果を編集したもので、うちディスカッションペーパーシリーズは、特に金融問題に関する議論の材料を提供すると共に、実務家や研究者等の有識者の方々から幅広くコメントを頂戴することを目的としています。ただし、論文の内容や意見は、日本銀行あるいは考査局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、各論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(はじめに)を掲載しています。全文は、こちら (bwp02j02.pdf 34KB) から入手できます。

はじめに

 近年の不良債権の状況をみると、「バブルの負の遺産」という性格に、「構造調整圧力の影響」という新たな面が加わっている。本稿では、構造調整下で不良債権の新規発生が高い水準で続いている背景について、貸出慣行・貸出制度(貸出モデル)の側面から検討する。また、構造調整の下で、企業の生成・淘汰が進むなかでは、早期に企業再生・整理を行う貸出モデルへの転換が求められていること、そうした転換を進めていくうえで、経済価値の減価を適切に反映した引当制度が望ましいこと、なども議論する。

目次

  • (不良債権問題と貸出の収益性)
  • (不良債権の経済価値と収益性の関係)
  • (引当制度の改善に向けた検討を深める必要性)
  • (貸出債権の引当制度を巡る動き)
  • (貸出モデルの転換に向けた課題)
  • (図表1)格付別採算等
  • (図表2)再生・清算等に伴う追加ロスと引当手法
  • (図表3)銀行の貸出利鞘・信用コストの日米比較