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セクター別生産性変化の分析と構造変化の検証

2002年 1月
中島隆信
粕谷宗久
才田友美
種村知樹

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(概要)を掲載しています。

概要

 近年の物価下落局面で供給曲線が下方にシフトしている要因のひとつとして全要素生産性の効果がしばしば指摘されている。本稿では、供給曲線の下方シフトの効果をセクター別に価格情報を利用した速報性のある方法で計測した。また、生産性変化の部門間波及シミュレーションを行った。分析の結果からは、電気機械部門の生産性向上による他産業および経済全体への物価押し下げ効果がきわめて大きい点が明らかとなった。反面、流通マージンを産業間取引に細分化したケースでも卸小売部門の生産性向上効果はそれほど大きいものではなかった。本稿ではこの問題を解決するための試案も提示した。

Key words :
全要素生産性、CPI、WPI、供給曲線、産業連関表、属性調整

JEL classification :
D24、E31