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『金融マクロ計量モデル』の概要

2011年10月6日
石川篤史*1
鎌田康一郎*2
倉知善行*3
寺西勇生*4
那須健太郎*5

要旨

本稿は、日本銀行で開発を進めている『金融マクロ計量モデル』(Financial Macro-econometric Model、以下FMM)の解説である。FMMは、金融セクターとマクロ経済セクターの2部門からなる中規模・構造モデルである。FMMによって、金融・実体経済間のフィードバックが生み出す様々な現象を定量的に分析することが可能となった。FMMの最大の特徴は金融セクターにある。銀行のリスク管理行動を現実に即してモデル化しており、その構造は世界でも数少ないものである。こうしたFMMは、特にマクロ・ストレス・テストに用いるものであり、金融システムの頑健性やそのマクロ経済への影響を様々な角度から整合的に検証することができる。

本稿の作成過程で、細野薫(学習院大学)、植田和男(東京大学)の各氏、日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂戴した。この場を借りて、深く感謝の意を表したい。もちろん、あり得べき誤りは筆者に属する。なお、本論文の内容や意見は、筆者個人に属するものであり、日本銀行および金融機構局の公式見解を示すものではない。

  1. *1 日本銀行金融機構局 E-mail : atsushi.ishikawa@boj.or.jp
  2. *2 日本銀行金融機構局 E-mail : kouichirou.kamada@boj.or.jp
  3. *3 日本銀行金融機構局 E-mail : yoshiyuki.kurachi@boj.or.jp
  4. *4 日本銀行金融機構局 E-mail : yuuki.teranishi@boj.or.jp
  5. *5 日本銀行金融機構局 E-mail : kentarou.nasu@boj.or.jp

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
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