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「全国短観」における定例の標本企業数の追加について

2001年 2月20日
日本銀行調査統計局

 2001年3月短観調査より、「全国短観(全国企業短期経済観測調査)」の標本企業数(調査対象企業数)を55社追加することとしましたので、お知らせします。

「全国短観」の標本企業数は倒産等により減少しますが、こうした標本企業数の減少に伴う統計精度の低下を防ぐため、定期的(年1回)に統計精度のチェック((1)売上高の母集団推計値の誤差率が目標の範囲内<製造業3%、非製造業5%>に収まっているか、(2)標本企業の分布が、母集団企業の分布から乖離していないか)を行ない、統計精度が低下している場合には、新たな標本企業を無作為抽出により追加することにしています(詳しくは「全国短観の作成方法」<日本銀行調査月報1999年6月号、本ホームページ掲載>をご参照下さい)。

今回は、前回2000年12月調査の標本について統計精度をチェックし、その結果、上記のとおり、標本企業数を55社追加することとしましたが、その詳細は以下のとおりです(この結果、2001年3月短観の標本企業数は、8,992社となります)。

(1)母集団推計値の誤差率

 母集団推計値の誤差率(売上高)注1は、業種別・規模別6区分いずれについても、目標の範囲内(製造業3%、非製造業5%)に収まっていました。

  • 表
  • (注1)全国短観では、標本調査を行ない、それを基に母集団推計していますが、この母集団推計値には、推計誤差が存在するため、幅を持ってみる必要があります。全国短観では、真の値が、母集団推計値を中心に3〜5%の範囲に概ね含まれるように標本を設計しています。

(2)標本の分布

 全国短観では、業種別および規模別(常用雇用者数で区分)に118の区分を設けていますが、これらの各区分について、標本企業の分布状況(常用雇用者数でみた分布状況)が母集団企業の分布状況を適切に反映しているか否かについてチェックしました。
 今回のチェックの結果、6区分について標本企業の分布と母集団企業の分布に乖離がみられた注2ほか、今後標本企業の減少に伴い両者に乖離が発生する可能性が高い区分があることが判明しましたので、これらの区分については、標本企業数を追加 (55社、別紙参照)することにより、補正しました。

  • (注2)「標本企業の分布と母集団企業の分布は同一の形状である」という帰無仮説について、適合度のχ2検定を行ない、棄却あるいは検定に必要な標本数を満たさないことが判明した場合、標本企業の分布と母集団企業の分布に乖離があるとみなしています。

 なお、今回は、従来と同じく総務省「平成8年事業所・企業統計調査」を母集団として、標本企業数の追加を行ないましたが、先般、「短観見直し案注3」で公表しましたように、次回(2003年度中)の短観見直し以降は、母集団情報、標本企業数を2〜3年毎に見直したうえで、毎年、標本企業の追加の必要の有無を検討する方針です。

本件に関する照会先

調査統計局経済統計課
企業統計グループ

   前屋(makoto.maeya@boj.or.jp)
   斎藤(satoshi.saitou@boj.or.jp)
   TEL 03-3277-2867、3277-2884

以上

別紙

追加標本企業数の業種別・規模別内訳

  • 表
  • (注)大企業、中堅企業、中小企業の内訳の規模は、母集団推計実施上の規模区分を表す。業種毎の規模区分は以下の通り。なお、シャドーがかかっている区分は、当該区分が存在しないことを示す。
  • 表