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トップページ 日本銀行を志望する皆さんへ 総務人事局からのメッセージ のページです。
ようこそ日本銀行の採用ホームページへ。このホームページには、採用プロセスに関する情報のほか、様々な職場で活躍する先輩職員の声や、日本銀行の役割や業務に関する解説などをまとめています。さらに詳しく知りたい方のために、専門的な情報や参考資料も掲載していますので、ぜひ興味のあるコンテンツを覗いてみてください。きっと新しい発見があるはずです。
日本銀行は、わが国唯一の中央銀行として、日本銀行券(お札)を発行するとともに、「物価の安定」と「金融システムの安定」を通じて、日本経済の発展に貢献することを使命としています。別の言い方をすれば、わが国の経済や国民のために、「人々が安心してお金を使うことができる環境を整えること」が私たちの仕事の原点であり、不変の使命です。
クリーンで信頼されるお札を全国津々浦々に届けることはもちろんのこと、「金融システムの安定」を維持することを通じて、預金という形のお金を安心して日々の決済や貯蓄の手段として使えるようにすることは、全ての国民の生活を支えています。また、金融政策を適切に運営することは、モノの値段であり、同時にお金の価値でもある「物価の安定」を実現するための、中央銀行の大事な役割です。
日本銀行の大きな特色は、こうした公的な使命を、法規制といった強制力のある手段ではなく、市場参加者や民間金融機関との取引を通じて実現していることにあります。例えば、金融政策は、マーケットプレーヤーとして、金融市場における国債などの売買(オペレーション)を通じて実行しています。銀行券や日銀ネットといった、わが国の基礎的な決済手段は、日本銀行が全国に展開する本支店と金融機関との間で行う預金業務や送金業務を通じて提供されます。こうした預金業務の相手方である金融機関に対しては、普段から考査やモニタリングを行っており、金融システムの安定が揺らぎそうなときには緊急の貸出(最後の貸し手機能)を行います。
このように、公的な政策と実際の取引の両方に関与するという二面性は、日本銀行の魅力であると同時に、その仕事を実に多彩なものにしています。金融政策や金融システムの安定に向けた政策、調査・研究、決済インフラの構築と運行、システム開発、国際金融、広報などのほか、経理や法務、人事といった組織運営に関する仕事もあります。また、各分野の仕事は、企画・立案から具体的な事務の処理に至るまで多岐にわたり、働く場所は、本店や全国の支店のほか、海外にも広がっています。そこで活かせる専門性も、金融、経済だけでなく、法律、会計、語学、システム、情報技術など様々です。日本銀行には、多様な人材が各々の能力を活かして活躍することのできる「懐の深さ」があります。
こうした日本銀行で働く職員に求められる資質として、私自身は、以下の3つが重要だと考えています。
1つめは、「プロとしての責任感」です。日本銀行では、一人ひとりの職員がプロ意識を持って、日々の仕事に取り組むことが求められます。日本銀行はわが国で唯一の中央銀行であり、「中央銀行員」という職業は他に存在しません。他の誰かを頼ることはできず、私たち自身が、責任をもってその使命を成し遂げる必要があります。
若い職員にとっては、最初はわからないことが多いと思いますが、まずは目の前の仕事に取り組み、学び続けることが重要です。そのうえで、自分の仕事が日本銀行の使命とどう結び付いているのかを意識しながら、プロのセントラルバンカーを目指してほしいと思います。
2つめは、「変化に対して柔軟であること」です。国民経済の発展に尽くすという中央銀行の使命は、いつの時代も変わりません。しかし、それを実現するための具体的な政策や業務は、時々の経済社会環境や人々の考え方に応じて変わっていきます。近年の情報通信技術の急速な進展を踏まえ、日本銀行では、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の実証実験を進めています。また、気候変動問題が中長期的に経済・物価に大きな影響を及ぼし得るとの認識が高まる中、この問題への対応を支援するための資金供給なども行っています。つい数年前まで、これらが日本銀行の仕事になるとは考えていませんでした。
我々自身が、外部環境の変化に対応し、仕事の進め方や物事の理解の仕方を見直していかなければ、国民から期待されている中央銀行サービスのレベルを維持することができなくなります。自らの使命を「安定的」に果たし続けるためには、自らが常に「変化」していかなければならないことを認識する必要があります。
3つめは、「謙虚であること」です。唯一の中央銀行であるということは、私たちの誇りであると同時に、ある種の危うさを伴っています。我々は、周囲との競争に晒されていないだけに、「独り善がりになっていないかどうか」、あるいは、「唯一の存在であることを世の中との違いの言い訳にしていないかどうか」といった点を常に顧みる必要があります。
謙虚さを保つ方法の一つが、世の中に対する知的好奇心です。いま、国内外で何が話題になっているのか、人々の常識はどこにあり、そこから自分はずれていないか。毎日、ニュースを見て、様々な人との繋がりを持ち、仕事以外の知識や経験を豊かにすることが重要です。
考えてみれば、日本銀行というのは、いささか不思議な組織です。私たちは、選挙で選ばれた政治家でもなければ、公的な試験に受かった公務員でもありません。それなのになぜ、これまで述べたような、国民生活に広く、直接的に影響を与える公的な仕事に携わることが許されているのでしょうか。
もちろん、法的な裏付けは日本銀行法の中に書いてあります。しかし、実態としてそれが可能かどうかは、結局のところ、日本銀行の仕事ぶりや職員の振る舞いが国民から広く信頼されているかどうかにかかっています。
私たちは、こうした仕事にやりがいを感じる人たちに仲間になってほしいと考えています。学生時代の専攻は問いません。高い専門性を最初から備えている必要もありません。日本銀行は、職員の成長をサポートする研修やキャリア形成の仕組みを各種備えています。また、すべての職員が能力を十分に発揮できる職場づくりを目指しており、出産、育児、介護などのライフイベントと、仕事を両立できる制度も充実しています。多様なバックグラウンドを持った人が、仕事を通じてプロフェッショナルとして成長していく──日本銀行は、それができる職場です。
このホームページをみて私たちの仕事に関心を持ってくださった方は、次はぜひ説明会などに参加し、日本銀行で働く人たちと実際に話をしてみてください。そうしてリアルな日本銀行を感じたうえで志望していただければ、とても嬉しく思います。
みなさんの応募をお待ちしています。