このページの本文へ移動

第140回事業年度(令和6年度)上半期財務諸表等について

2024年11月27日
日本銀行

資産・負債の状況

令和6年度上半期末における資産・負債の状況をみると、総資産残高は、貸出金を中心に前年同期末と比べ11兆8,082億円増加(+1.6%)し、753兆2,992億円となった。また、総負債残高は、預金や売現先勘定を中心に前年同期末と比べ11兆7,864億円増加(+1.6%)し、747兆8,007億円となった。

こうした日本銀行の資産・負債の変化を詳しくみると以下のとおりである。まず、資産の部をみると、長期国債が、買入減額を進めるなか、582兆9,910億円と前年同期末を1兆6,196億円下回った。一方、貸出金は、「貸出支援基金」による貸付けが増加したこと等から、109兆9,167億円と前年同期末を14兆3,859億円上回った。

次に、負債の部をみると、当座預金が、「貸出支援基金」による貸付け等を通じた資金供給により、549兆4,207億円と前年同期末を2兆2,278億円上回った。また、政府に対する国債売現先残高の増加により、政府預金は、3兆6,023億円と前年同期末を11兆7,515億円下回った一方、売現先勘定は、21兆2,888億円と前年同期末を16兆4,493億円上回った。この間、日本銀行券の発行残高は、119兆3,371億円と前年同期末を1兆3,122億円下回った。

損益の状況

令和6年度上半期の損益の状況についてみると、経常利益は、前年同期比1兆3,898億円減益の1兆7,925億円となった。これは、為替円高に伴い外国為替関係損益が損超に転化したこと等によるものである。

特別損益は、収益の振幅を平準化する観点から、債券取引損失引当金の積立てを行った一方、外国為替関係損益が損超となったことを受け、外国為替等取引損失引当金の取崩しを行ったこと等から、431億円となった。

以上の結果、税引前当期剰余金は、前年同期比4,900億円減少の1兆8,357億円となり、法人税、住民税及び事業税を差し引いた後の当期剰余金は、前年同期比925億円減少の1兆8,357億円となった。

自己資本の状況

令和6年度上半期末の自己資本比率は、11.27%と、前年度末(11.17%)に比べ上昇した。

照会先

政策委員会室

大坪
Tel : 03-3279-1111

1.令和6年度上半期末の資産、負債及び純資産の状況

 
令和6年度上半期末の資産、負債及び純資産の状況(単位 : 億円)
5年度
上半期末
(A)
6年度
上半期末
(B)
比較
(B) - (A)
前年同期
末比%
(資産の部)
金地金 4,412 4,412 ―― ――
現金 4,475 4,665 +190 +4.3
国債 5,868,781 5,854,538 マイナス14,243 マイナス0.2
(うち長期国債) 5,846,107 5,829,910 マイナス16,196 マイナス0.3
コマーシャル・ペーパー等 22,614 19,074 マイナス3,540 マイナス15.7
社債 67,318 55,000 マイナス12,317 マイナス18.3
金銭の信託
(信託財産株式)
2,352 1,024 マイナス1,327 マイナス56.4
金銭の信託
(信託財産指数連動型上場投資信託)
371,160 371,861 +700 +0.2
金銭の信託
(信託財産不動産投資信託)
6,662 6,574 マイナス88 マイナス1.3
貸出金 955,308 1,099,167 +143,859 +15.1
外国為替 103,261 105,870 +2,609 +2.5
代理店勘定 65 71 +5 +8.7
その他資産 6,068 8,349 +2,281 +37.6
有形固定資産 2,424 2,378 マイナス46 マイナス1.9
無形固定資産 4 4 マイナス0 マイナス4.4
資産の部合計 7,414,910 7,532,992 +118,082 +1.6
(負債の部)
発行銀行券 1,206,494 1,193,371 マイナス13,122 マイナス1.1
預金 5,854,855 5,933,013 +78,157 +1.3
(うち当座預金) 5,471,928 5,494,207 +22,278 +0.4
政府預金 153,539 36,023 マイナス117,515 マイナス76.5
売現先勘定 48,394 212,888 +164,493 4.4倍
その他負債 2,892 1,990 マイナス902 マイナス31.2
退職給付引当金 2,099 2,102 +3 +0.2
債券取引損失引当金 63,500 72,035 +8,535 +13.4
外国為替等取引損失引当金 28,367 26,582 マイナス1,785 マイナス6.3
負債の部合計 7,360,143 7,478,007 +117,864 +1.6
(純資産の部)
資本金 1 1 ―― ――
法定準備金 35,483 36,626 +1,143 +3.2
特別準備金 0 0 ―― ――
当期剰余金 19,282 18,357 マイナス925 マイナス4.8
純資産の部合計 54,767 54,985 +217 +0.4
負債および純資産の部合計 7,414,910 7,532,992 +118,082 +1.6
  • (注1)計数については、円単位での計算後、億円未満を切り捨てて表示しているため、表上の合計額とは必ずしも一致しない(他の計表も同様)。
  • (注2)< ―― >の表記は、計算上ゼロあるいは該当数字なしを示し、< 0 >の表記は、単位未満を切り捨てた場合のゼロを示す(他の計表も同様)。

2.令和6年度上半期の損益の状況

 
令和6年度上半期の損益の状況(単位 : 億円)
5年度
上半期
(A)
6年度
上半期
(B)
比較
(B) - (A)
経常収益 (A) 34,389 28,521 マイナス5,868
貸出金利息 28 122 +94
買現先利息 マイナス0 0 +0
国債利息 8,072 9,636 +1,564
コマーシャル・ペーパー等利息 3 15 +12
社債利息 29 51 +22
外国為替収益 12,772 3,374 マイナス9,397
その他 13,484 15,320 +1,836
経常費用 (B) 2,565 10,595 +8,030
売現先利息 マイナス72 34 +106
国債売却損 10 ―― マイナス10
外国為替費用 442 5,197 +4,754
経費 947 993 +45
その他 1,237 4,371 +3,133
経常利益 (C) = (A) - (B) 31,824 17,925 マイナス13,898
経常収入 9,947 11,898 +1,950
長期国債関係損益 マイナス10 ―― +10
外国為替関係損益 11,394 マイナス5,197 マイナス16,591
経費 マイナス947 マイナス993 マイナス45
その他 11,439 12,217 +777
うち金銭の信託(信託財産株式)運用損益 1,814 2,466 +651
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益 11,372 12,641 +1,268
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益 155 79 マイナス76
補完当座預金制度利息 マイナス920 マイナス3,922 マイナス3,002
貸出促進付利制度利息 マイナス22 ―― +22
特別利益 (D) 10 2,617 +2,607
特別損失 (E) 8,577 2,186 マイナス6,390
特別損益(F) = (D) - (E) マイナス8,566 431 +8,998
うち債券取引損失引当金 マイナス2,878 マイナス2,186 +692
外国為替等取引損失引当金 マイナス5,697 2,598 +8,295
税引前当期剰余金 (G) = (C) + (F) 23,257 18,357 マイナス4,900
法人税、住民税及び事業税 (H) 3,975 0 マイナス3,975
当期剰余金 (I) = (G) - (H) 19,282 18,357 マイナス925
  • (注1)経常収入は、貸出金利息、買現先利息、国債利息、コマーシャル・ペーパー等利息、社債利息、外貨債券の利息収入及び外貨預け金等利息の合計額。
  • (注2)長期国債関係損益は、国債(長期)売却損益の額。
  • (注3)外国為替関係損益は、為替差損益の額。
  • (注4)経常費用及び経常利益のその他には、地域金融強化のための特別当座預金制度の支払利息(-298億円)を含む。
  • (注5)各種引当金の-符号は、積立て(減益要因)を示す。

参考計表

1.資産残高の推移

日本銀行の総資産残高とその前年比伸び率の推移のグラフ。令和3年9月末以降、令和6年9月末までの末残ベース。総資産残高は、おおむね増加基調で推移していたが、令和4年5月末以降同年9月末にかけて一時減少。その後、再び増加基調に転じ、令和6年8月末に既往ピークを更新した。前年比伸び率は、令和3年9月末以降、プラス幅が縮小し、令和4年8月末から令和5年3月末にかけてマイナスに転じる局面があったものの、その後はプラスで推移。

「貸出支援基金」による貸付金の残高

「貸出支援基金」による貸付金の残高(単位 : 億円)
4年度末5年度末6年度
上半期末上半期末前年同期末比
増減額
貸付金合計722,432836,461766,859827,19160,331
成長基盤強化を支援するための資金供給71,48953,48264,60443,377マイナス21,227
貸出増加を支援するための資金供給650,943782,979702,255783,81481,559

2.長期国債関係損益の推移

2.長期国債関係損益の推移(単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
長期国債関係損益 マイナス70 マイナス10 マイナス10 ―― 10
売却益 158 ―― ―― ―― ――
売却損 マイナス228 マイナス10 マイナス10 ―― 10

3.外国為替関係損益の推移

3.外国為替関係損益の推移 (単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
外国為替関係損益
(為替差損益)
7,490 13,021 11,394 マイナス5,197 マイナス16,591
5ねん3月末 5ねん9月末 6ねん3月末 6ねん9月末
ドル相場の推移 132.80円 149.37円 151.32円 143.63円
ユーロ相場の推移 143.97円 157.91円 163.35円 159.92円
ポンド相場の推移 163.81円 182.23円 191.04円 192.09円

4.金銭の信託(信託財産株式)運用損益の推移

4.金銭の信託(信託財産株式)運用損益の推移(単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
金銭の信託(信託財産株式)運用損益 3,541 3,881 1,814 2,466 651
配当金等 295 177 98 55 マイナス42
減損 マイナス12 マイナス3 マイナス3 マイナス0 3
売却損益 3,258 3,707 1,719 2,411 691

5.金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益の推移

5.金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益の推移(単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益 11,044 12,356 11,372 12,641 1,268
分配金等 11,044 12,356 11,372 12,641 1,268
減損 ―― ―― ―― ―― ――
売却損益 ―― ―― ―― ―― ――

6.金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益の推移

6.金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益の推移(単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益 306 312 155 79 マイナス76
分配金等 306 312 155 161 6
減損 ―― ―― ―― マイナス82 マイナス82
売却損益 ―― ―― ―― ―― ――

7.経常収入関係

(1)経常収入の推移

(1)経常収入の推移(単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
経常収入 15,207 21,088 9,947 11,898 1,950
円貨資産 13,364 17,295 8,132 9,825 1,693
貸出金 7 93 28 122 94
買現先勘定 ―― マイナス1 マイナス0 0 0
国債 13,319 17,124 8,072 9,636 1,564
短期国債 マイナス91 マイナス34 マイナス23 マイナス5 18
長期国債 13,411 17,158 8,095 9,641 1,545
コマーシャル・ペーパー等 2 6 3 15 12
社債 34 71 29 51 22
外貨資産 1,843 3,793 1,815 2,072 257

(2)運用資産平残の推移

(2)運用資産平残の推移(単位 : 億円)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
運用資産合計(平残) 6,826,381 7,073,315 7,013,147 7,190,190 177,043
円貨資産 6,740,002 6,977,695 6,920,216 7,086,667 166,451
貸出金 1,082,583 965,533 935,965 1,081,151 145,185
買現先勘定 0 1,745 993 0 マイナス993
国債 5,546,766 5,917,709 5,884,714 5,926,729 42,015
短期国債 106,843 35,790 38,520 34,395 マイナス4,125
長期国債 5,439,923 5,881,919 5,846,193 5,892,334 46,141
コマーシャル・ペーパー等 27,264 24,532 24,537 20,748 マイナス3,789
社債 83,386 68,174 74,005 58,038 マイナス15,967
外貨資産 86,379 95,620 92,930 103,522 10,591

(3)運用資産利回りの推移

(3)運用資産利回りの推移(単位 : %)
4年度 5年度 6年度
上半期上半期前年同期比
運用資産合計(利回り) 0.222 0.298 0.283 0.330 0.046
円貨資産 0.198 0.247 0.235 0.276 0.041
貸出金 0.000 0.009 0.005 0.022 0.016
買現先勘定 ―― マイナス0.094 マイナス0.094 0.060 0.155
国債 0.240 0.289 0.274 0.324 0.049
短期国債 マイナス0.085 マイナス0.096 マイナス0.120 マイナス0.029 0.091
長期国債 0.246 0.291 0.276 0.326 0.049
コマーシャル・ペーパー等 0.009 0.028 0.024 0.145 0.120
社債 0.041 0.105 0.080 0.178 0.098
外貨資産 2.134 3.967 3.907 3.993 0.086

8.自己資本残高及び自己資本比率の推移

8.自己資本残高及び自己資本比率の推移(単位 : 億円)
4年度末 5年度末 6年度
上半期末上半期末前年度末比
増減
資本勘定(A) 35,484 36,628 35,484 36,628 ――
資本金 1 1 1 1 ――
法定準備金等 35,483 36,627 35,483 36,627 ――
引当金勘定(B) 83,292 99,029 91,867 98,617 マイナス412
貸倒引当金(特定を除く) ―― ―― ―― ―― ――
債券取引損失引当金 60,622 69,849 63,500 72,035 +2,186
外国為替等取引損失引当金 22,669 29,180 28,367 26,582 マイナス2,598
自己資本残高(A) + (B) = (C) 118,776 135,658 127,352 135,245 マイナス412
銀行券平均発行残高(D) 1,209,921 1,214,447 1,213,259 1,198,992 マイナス15,455
自己資本比率(C) / (D)×100 9.81% 11.17% 10.49% 11.27% +0.10%
  • (注)法定準備金等には特別準備金(13百万円)を含む。

9.保有有価証券の時価情報

国債(単位:億円)
価額 時価 評価損益
6ねん3月末 5,896,634 5,802,297 マイナス94,337
6ねん9月末 5,854,538 5,717,933 マイナス136,604
コマーシャル・ペーパー等 (単位:億円)
価額 時価 評価損益
6ねん3月末 22,109 22,109 ――
6ねん9月末 19,074 19,074 ――
社債(単位:億円)
価額 時価 評価損益
6ねん3月末 60,727 60,464 マイナス262
6ねん9月末 55,000 54,724 マイナス275
金銭の信託(信託財産株式)(単位:億円)
価額 時価 評価損益
6ねん3月末 1,641 8,081 6,440
6ねん9月末 984 4,344 3,360
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)(単位:億円)
価額 時価 評価損益
6ねん3月末 371,861 744,982 373,120
6ねん9月末 371,861 702,573 330,711
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)(単位:億円)
価額 時価 評価損益
6ねん3月末 6,561 7,387 825
6ねん9月末 6,475 7,212 737
  • (注1)金銭の信託は、信託財産(約定ベース)のみを対象としているため、上記の帳簿価額は貸借対照表価額とは必ずしも一致しない。
  • (注2)時価は、期末日における市場価格等に基づいている。

10.概算納付金

第140回事業年度(令和6年度)に係る国庫納付金の概算納付は行わないこととした。