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銀行券・貨幣の発行・管理の概要

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銀行券の発行・流通・管理

日本銀行は、日本で唯一、銀行券を発行する発券銀行です。日本銀行は、皆さんが安心して銀行券を使えるよう、銀行券の安定供給を確保するとともに、銀行券の信認を維持するために、さまざまな業務を行っています。

銀行券の発行

日本銀行法では、日本銀行は、銀行券を発行すると定めています。銀行券は、独立行政法人国立印刷局によって製造され、日本銀行が製造費用を支払って引き取ります。そして、日本銀行の取引先金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出し、銀行券を受け取ることによって、世の中に送り出されます。この時点で、銀行券が発行されたことになります。

銀行券は、さまざまな資金の受払いに利用可能な決済手段であり、特に小口資金のための受払いの手段として広く利用されています。銀行券には、銀行券を用いて支払いを行った場合、相手がその受取りを拒絶できないという、法貨としての強制通用力が法律により付与されています。

現在、日本銀行は、一万円券、五千円券、二千円券、千円券の4種類の日本銀行券を発行しています。

銀行券の流通

日本銀行が発行した銀行券は、その後、金融機関から預金を引き出した人々や企業の手に渡り、商品やサービスの購入などに利用されます。また、銀行券の一部は金融機関に持ち込まれ、預金として預けられます。

金融機関は、利用者への支払いに当面必要としない銀行券を、日本銀行の本支店に持ち込み、日本銀行当座預金に預け入れます。このように銀行券が日本銀行に戻ってくることを、銀行券の還収といいます。

日本銀行や金融機関は、銀行券が全国各地にくまなく行き渡るための流通拠点としての役割を果たしています。

銀行券の管理

金融機関を通じて銀行券が日本銀行の本支店に戻ってくると、日本銀行は、受け入れた銀行券の枚数を確認し、偽造・変造された銀行券がないか、厳重に真偽鑑定を行っています。また、損傷や汚染の度合いから再度の流通に適するかどうかも判別しています。日本銀行が行うこのようなチェックのことを鑑査といいます。日本銀行の鑑査によって選り分けられた、本物で再度の流通に適していると判断された銀行券は、再び金融機関に支払われていきます。

一方、鑑査の結果、流通に適さないと判断された銀行券は、復元できない大きさに裁断のうえ廃棄され、銀行券の一生を終えることとなります。銀行券の平均寿命は、一万円券で4~5年程度、五千円券、千円券は使用頻度が相対的に高く傷みやすいため1~2年程度となっています。

また、日本銀行では、本支店の窓口において、損傷した銀行券の引換えを行っています。

日本銀行券には、偽造・変造を防止するために、さまざまな偽造防止技術が施されています。日本銀行は偽造対策のため、外国の中央銀行との情報交換や共同研究などの国際的な取組みを行っています。

銀行券の発行、流通、管理の流れを示した図。詳細は本文のとおり。

貨幣の取扱い

貨幣は、日本銀行ではなく、政府が発行しています。貨幣は、独立行政法人造幣局が製造した後、日本銀行へ交付されますが、この時点で貨幣が発行されたことになります。

貨幣も銀行券と同様に、日本銀行の取引先金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出すことを通じて、世の中に送り出されます。