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【概要説明】 通貨及び金融の調節に関する報告書 衆議院財務金融委員会における概要説明

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日本銀行副総裁 氷見野 良三
2026年6月19日

はじめに

日本銀行は、毎年6月と12月に「通貨及び金融の調節に関する報告書」を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営についてご説明申し上げる機会を頂き、御礼申し上げます。

経済金融情勢

まず、最近の経済金融情勢について、申し上げます。

わが国の景気は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きもみられますが、緩やかに回復しています。輸出や鉱工業生産は、基調としては横ばい圏内の動きを続けています。企業収益が高水準で推移するもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。個人消費は、家計マインドに弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しています。先行きについては、原油価格上昇が景気の下押し要因として作用するものの、高水準の企業収益などが経済を下支えすると見込まれるほか、政府による各種施策や原材料の代替調達なども進んでいるところです。このため、わが国経済は、伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けるとみております。

物価面をみると、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから、足もとでは1%台半ばとなっているものの、先行きについては、原油価格上昇が、エネルギー価格や財価格を中心に押し上げ方向に作用することから、2%をはっきりと上回る水準まで伸び率を高めていくと予想しております。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まっていくと予想され、2026年度後半から2027年度にかけて「物価安定の目標」と概ね整合的な水準となると考えております。

こうした見通しを巡るリスク要因としては様々なものがありますが、当面は、今後の中東情勢の展開が、金融・為替市場やわが国の経済・物価に及ぼす影響をとくに注視する必要があります。このほか、グローバルなAI関連需要の動向や今後の為替相場の変動が、わが国の経済・物価に及ぼす影響にも留意が必要です。この間、わが国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、わが国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有していると判断しています。

金融政策運営

次に、金融政策運営について、ご説明申し上げます。

日本銀行は、今週の金融政策決定会合において、政策金利を引き上げて、1.0%程度とすることを決定しました。先ほど申し上げたとおり、わが国経済は、伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けるとみられます。物価面では、原油高を起点とする価格上昇の動きが幅広い品目に波及したり、基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクがあると考えられます。こうしたことを踏まえ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断いたしました。

先行きについては、基調的な物価上昇率が2%に近づいているなか、現在の金融環境が緩和的であることを踏まえますと、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。そのうえで、調整のタイミングやペースについては、中東情勢の展開がわが国経済・物価に及ぼす影響を注視したうえで、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、検討していく方針です。

なお、今週の金融政策決定会合では、国債市場の動向や機能度を点検し、日本銀行の今後の国債買入れのあり方についても検討しました。その結果、来年3月までは従来の減額計画を維持し、来年4月以降は月間2兆円程度の買入れを行うことを決定しました。

今後とも、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営して参ります。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。