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金融市場調節方針の変更等について

2003年 4月30日
日本銀行

  1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、金融調節の主たる操作目標である日本銀行当座預金残高の目標値を、これまでの「17~22兆円程度」から「22~27兆円程度」に引き上げることを決定した(別添)。
    あわせて、産業再生機構に対する証書貸付債権を、新たに日本銀行の適格担保とすることを決定した。
  2. わが国の景気は、全体として横這いの動きを続けている。この間、海外経済の動向をみると、欧米諸国の景気回復力については、依然不確実性が高い。また、総じて堅調を維持しているアジア経済についても、新型肺炎(SARS)の影響が懸念される。
  3. 金融面をみると、日本銀行による潤沢な資金供給のもとで、金融機関の流動性調達を巡る懸念は、ほぼ払拭されている。しかしながら、株式市場では、銀行株を中心に株価が不安定な動きを続けており、これが先行き金融市場や実体経済活動に悪影響を及ぼすリスクには、十分な注意が必要である。
  4. 以上のような経済金融情勢に関する不確実性を踏まえ、日本銀行は、当座預金残高の目標値の引き上げを通じて、金融市場の安定確保に万全を期し、景気回復を支援する効果をより確実なものとすることが適当と判断した。
  5. なお、日本銀行は、金融政策の透明性を一段と向上させる観点から、本日公表する「経済・物価の将来展望とリスク評価」において、新たに金融政策運営と金融環境に関するパートを新設するなど、内容の拡充を図ることとした。

以上


(別添)

平成15年4月30日
日本銀行

当面の金融政策運営について

 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

 日本銀行当座預金残高が22~27兆円程度となるよう金融市場調節を行う。

 なお、当面、不確実性の高い状況が続くとみられることを踏まえ、金融市場の安定確保に万全を期すため、必要に応じ、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

以上


(参考)

開催時間
4月30日(水)9:00~13:29
出席委員
議長 福井 俊彦 (総裁)
武藤 敏郎 (副総裁)
岩田 一政 (副総裁)
植田 和男 (審議委員)
田谷 禎三 (審議委員)
須田 美矢子(審議委員)
中原 眞  (審議委員)
春  英彦 (審議委員)
福間 年勝 (審議委員)

 上記のほか、
谷口隆義 財務副大臣(9:00~13:07、13:11~13:29)
小林勇造 内閣府審議官(9:00~13:07、13:11~13:29)
が出席。

議事要旨の公表日時
6月16日(月)14:00

以上