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当面の金融政策運営について

2025年3月19日
日本銀行

  1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

    無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.5%程度で推移するよう促す。

  2. わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっている。企業収益が改善傾向にあるもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。雇用・所得環境は緩やかに改善している。個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小もあって、足もとは3%台前半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。

    先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。消費者物価(除く生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、その基調的な上昇率は、人手不足感が高まるもと、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、来年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、米価格が高水準で推移すると見込まれることや政府による施策の反動が生じることが押し上げ方向で作用すると考えられる。

    リスク要因をみると、各国の通商政策等の動きやその影響を受けた海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。

以上


(参考)

開催時間
  • 3月18日(火) 14:00から15:42
  • 3月19日(水) 9:00から11:18
出席委員
  • 議長 植田 和男(総裁)
  • 氷見野良三(副総裁)
  • 内田 眞一( 副総裁 )
  • 安達 誠司(審議委員)
  • 中村 豊明( 審議委員 )
  • 野口 旭 ( 審議委員 )
  • 中川 順子( 審議委員 )
  • 高田 創 ( 審議委員 )
  • 田村 直樹( 審議委員 )

上記のほか、

3月18日
  • 財務省 寺岡 光博 大臣官房総括審議官(14:00から15:42)
  • 内閣府 林 幸宏  内閣府審議官(14:00から15:42)
3月19日
  • 財務省 斎藤 洋明 財務副大臣(9:00から11:06、11:11から11:18)
  • 内閣府 瀬戸 隆一 内閣府副大臣(9:00から11:06、11:11から11:18)

が出席。

公表日時
  • 当面の金融政策運営について――3月19日(水)11:25
  • 主な意見――3月28日(金)8:50予定
  • 議事要旨――5月8日(木)8:50予定

以上