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当面の金融政策運営について

2026年3月19日
日本銀行

  1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成8反対1)(注1)。

    無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.75%程度で推移するよう促す。

  2. わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられるが、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は、基調としては横ばい圏内の動きを続けている。企業収益は、製造業において関税による下押しの影響がみられるが、全体としては高水準を維持している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している。一方、住宅投資は減少傾向にある。この間、公共投資は横ばい圏内の動きを続けている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響もあって2%を上回って推移してきたが、足もとでは、政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから、2%程度まで低下している。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。

    先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けつつも、海外経済が成長経路に復していくもとで、政府の経済対策や緩和的な金融環境などにも支えられて、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まることから、緩やかな成長を続けると考えられる。ただし、中東情勢の緊迫化を受けて、国際金融資本市場では不安定な動きがみられるほか、原油価格も大幅に上昇しており、今後の動向には注意が必要である。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、米などの食料品価格上昇の影響が減衰していくもとで、政府による物価高対策の効果もあり、いったん2%を下回る水準までプラス幅を縮小したあと、足もとの原油価格上昇の影響がプラス幅を拡大する方向に作用すると考えられる。この間、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、その後は、景気の改善が続くもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率は上昇していくと見込まれる。こうしたもとで、消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる(注2)。なお、原油価格上昇が基調的な物価上昇率の見通しに及ぼす影響についても、留意が必要である。

    リスク要因としては、今後の中東情勢の展開や原油価格の動向、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向、企業の賃金・価格設定行動、金融・為替市場の動向などがあり、それらのわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある。

  3. 金融政策運営については、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、「展望レポート」で示している経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。

以上


  1. (注1)賛成:植田委員、氷見野委員、内田委員、野口委員、中川委員、田村委員、小枝委員、増委員。反対:高田委員。高田委員は、「物価安定の目標」は概ね達成されており、海外発の物価上昇の二次的波及から国内物価の上振れリスクが高いとして、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促すとする議案を提出し、反対多数で否決された。本文に戻る
  2. (注2)高田委員は、物価の見通しについて、基調的な物価上昇率を含め、消費者物価は既に概ね「物価安定の目標」に達する水準にあるとして、田村委員は、基調的な物価上昇率の見通しについて、2026年度入り後以降、「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するとして、反対した。本文に戻る

(参考)

開催時間
  • 3月18日(水) 14:00から15:53
  • 3月19日(木) 9:00から11:39
出席委員
  • 議長 植田 和男(総裁)
  • 氷見野良三(副総裁)
  • 内田 眞一( 副総裁 )(注)
  • 野口 旭 (審議委員)
  • 中川 順子( 審議委員 )
  • 高田 創 ( 審議委員 )
  • 田村 直樹( 審議委員 )
  • 小枝 淳子( 審議委員 )
  • 増 一行 ( 審議委員 )
  • (注)内田委員は、電話会議により出席。

上記のほか、

3月18日
  • 財務省 前田 努 大臣官房総括審議官(14:00から15:53)
  • 内閣府 林 幸宏 内閣府審議官(14:00から15:53)
3月19日
  • 財務省 前田 努 大臣官房総括審議官(9:00から11:24、11:31から11:39)
  • 内閣府 水田 豊 大臣官房審議官(経済財政運営担当)(9:00から9:44)

    城内 実 経済財政政策担当大臣(9:45から11:24、11:31から11:39)

が出席。

公表日時
  • 当面の金融政策運営について――3月19日(木)11:46
  • 主な意見――3月30日(月)8:50予定
  • 議事要旨――5月7日(木)8:50予定

以上