日本円OIS(Overnight Index Swap)
─取引の概要と活用事例─
2018年4月6日
日本銀行金融市場局
この資料の位置付け
この資料は、これまで日本円OISを利用した経験のない金融機関等の関係者が、日本円OISの概要や活用イメージを把握するためのものとして、2018年3月時点の情報をもとに取りまとめたものです。実際に日本円OISを行う場合には、取引先金融機関等との間で、具体的な取引内容を協議したうえで実行することが想定されますが、日本円OISの理解を深める一助となれば幸いです。
要旨
OISは、固定金利と変動金利を交換するスワップの一種で、変動金利として、LIBOR(London Interbank Offered Rate)ではなく翌日物金利を参照するものです。わが国においては、固定金利と、変動金利として一定期間の無担保コールO/N物レート(複利計算)を交換する取引が行われています。
OISの固定金利であるOISレートは、参照金利である無担保コールO/N物レートと同様に、含まれる銀行の信用リスクはごく限定的であるほか、翌日物金利に対する市場見通しを強く反映する、変動金利の受払額が金利計算期間の満期日に確定するといった性質があります。このような性質に適した形で、OISは、ヘッジや裁定取引の目的で広く用いることが可能です。
金融機関が日本円OISを利用するに当たっては、自らの資産・負債構造等に応じて適切な手法を採用する必要があるほか、事務・システムや会計処理等について、準備が必要です。
照会先
金融市場局市場企画課(リスク・フリー・レートに関する勉強会事務局)
Email:post.fmd33@boj.or.jp
Tel:03-3277-1246