第19回決済システムフォーラムの議事の概要
2020年3月26日
日本銀行
開催要領
開催日時:2020年3月6日(金)15:00~16:15
議題
- 開会挨拶
- 金融市場インフラを巡る最近の話題(国際的な動向を中心に)
- ラウンドテーブル(各金融市場インフラにおける最近の取組み等)
- 日本銀行による金融市場インフラに対するオーバーサイト基本方針に基づくオーバーサイト活動の枠組み
- 閉会挨拶
1.開会挨拶の要旨(日本銀行決済機構局長 木村)
日本銀行では、これまで18回の決済システムフォーラムを開催し、関係者の方々と有益な意見交換を重ねて参りましたが、特にここ数年における金融市場インフラを巡る環境の変化は非常に大きいと認識しております。こうした変化への対応は、私どもを含め、金融市場インフラ共通の課題といえます。
また、私どもとしましては、国際的な金融規制・監督当局者間の会合の中で、サイバーリスクに対する関心の高まりを実感しております。さらに、昨年の台風19号の経験などを踏まえると、従来の被災想定だけにとらわれない確固たるBCP体制の重要性を再認識しているところです。各金融市場インフラにおかれては、制度改正や新たな取り組みを進めていかれる中にあっても、引き続きリスク管理の実効性を高めていくことが大事です。
このように、金融市場インフラは、環境変化を踏まえたプロジェクトや調査研究――いわば「未来」を見据えた取り組み――を進めていくとともに、しっかりとリスク管理を行い、「足元」を固めることが重要になっています。
そこで、本日は、忌憚のない意見交換を通じ、わが国の決済システムの安全性・効率性の向上に向けた問題意識の一層の醸成・共有化を図ることができればと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
2.金融市場インフラを巡る最近の話題(国際的な動向を中心に)
日本銀行決済機構局から、資料(事務局資料1)に沿って、「金融市場インフラのための原則」(以下、「FMI原則」)の実施に関する取組み、システミックに重要な清算機関の財務面での安定性強化に関する取組み、金融システムの新たな脅威(サイバーリスク)への対応、その他の話題(主要中央銀行による中央銀行デジタル通貨の活用可能性を評価するためのグループの設立、「決済の未来フォーラム:中銀デジタル通貨と決済システムの将来像」(2020年2月27日開催)における主な論点、気候変動への対応)について説明。
3.ラウンドテーブル(各金融市場インフラにおける最近の取組み等)
- (1)全国銀行資金決済ネットワーク
資料(全国銀行資金決済ネットワーク)に沿って、全銀システムの概要、モアタイムシステムの稼動、全銀EDIシステムの稼動、第7次全銀システムの稼動、FMI原則への対応状況等について説明。
資料(全国銀行資金決済ネットワーク) [PDF 1,442KB] - (2)全国銀行協会(外国為替円決済制度の運営主体)
資料(全国銀行協会)に沿って、外国為替円決済制度の概要、UETR(unique end-to-end transaction reference)対応、SWIFT電文のISO20022移行に伴う対応、FMI原則への対応状況等について説明。
資料(全国銀行協会) [PDF 793KB] - (3)証券保管振替機構・ほふりクリアリング
「JASDEC2020プロジェクト」(システムリプレース)、業務継続体制の強化、DLT実証実験(日本取引所グループと共同で、DLTを用いた情報共有基盤の実機検証を行うプロジェクト)に関する取組みについて説明。 - (4)日本証券クリアリング機構
資料(日本証券クリアリング機構)に沿って、金利指標改革への対応、総合取引所の実現に向けた対応、上場デリバティブ清算業務における損失補償制度見直しについて説明。
資料(日本証券クリアリング機構) [PDF 538KB] - (5)東京金融取引所
資料(東京金融取引所)に沿って、清算機関としての東京金融取引所の概要、東京金融取引所・清算機関の業容、金利先物等清算参加者等の債務不履行時における損失補填の枠組みのあり方に関する検討について説明。
資料(東京金融取引所) [PDF 172KB] - (6)DTCCデータ・レポジトリージャパン
資料(DTCCデータ・レポジトリージャパン)に沿って、わが国と海外の主要金融市場における取引情報報告・蓄積制度の比較について説明。
資料(DTCCデータ・レポジトリージャパン) [PDF 114KB]
4.日本銀行による金融市場インフラに対するオーバーサイト基本方針に基づくオーバーサイト活動の枠組み
日本銀行決済機構局から、資料(事務局資料2)に沿って、「日本銀行による金融市場インフラに対するオーバーサイト基本方針」に基づくオーバーサイト活動の枠組みについて説明。