金融機関における業務継続体制の整備状況 ─2025年度アンケート調査結果から─
2026年1月19日
日本銀行金融機構局
本調査の概要
わが国では、東日本大震災以降も、最大震度7を観測する地震が度々発生しているほか、近年は、台風や集中豪雨によって甚大な被害が繰り返しもたらされている。また、2020年には新型コロナウイルス感染症が蔓延し、長期にわたって大きな影響が生じた。このほか、サイバー攻撃の手口が巧妙化しており、サイバーセキュリティに対する脅威も高まっている。
こうした中、金融機関は、自然災害や人為災害といった業務継続を阻害する緊急事態が発生した場合でも、顧客および従業員の安全に配慮しつつ、金融サービスの提供を維持することができるよう、体制整備やその実効性確保に向けて、不断に取り組むことが求められている。
こうした問題意識のもと、日本銀行では、2025年4月から5月にかけて、取引先金融機関のうち381先を対象に、業務継続体制に関するアンケートを実施(2014年度に実施して以来、約10年ぶりの調査)。本レポートでは、アンケートの結果をベースに、一部の金融機関等との意見交換の内容も踏まえ、金融業界における業務継続体制の整備状況について分析した。
まとめ
今回のアンケート調査等を通じて、以下の点が確認された。
- 近年、わが国の金融機関では、地震や風水害といった自然災害やサイバー攻撃等の危険性が高まる中、業務継続上の緊急事態として想定する事象が増えており、南海トラフ地震への関心も高まっている。
- 多くの金融機関において、緊急時における業務継続要員の確保やバックアップシステムの設置など業務継続体制の整備が進められているが、実効性の確保に課題を抱えている先が少なくなく、訓練等を通じた不断の検証が求められる。
- 新型コロナウイルス感染症を踏まえた業務継続体制の見直しが広く行われており、緊急時におけるリモートワークの活用も進められている。
- この間、オペレーショナル・レジリエンスの考え方を取り入れながら、業務継続体制を高度化する取組みも広がりつつある。
日本銀行から
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照会先
金融機構局考査企画課
E-mail : csrbcm@boj.or.jp
