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各地域からみた景気の現状(2026年4月支店長会議における報告)

2026年4月6日
日本銀行

今回の支店長会議における報告を総括すると、一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている。前回の支店長会議開催時点(2026年1月)と比較すると、すべての地域で総括判断を維持している(参考参照)。

もっとも、中東情勢の緊迫化を受け(注)、複数の地域から、原油価格の高騰や物流の停滞に伴い、仕入コストの上昇や原材料の供給制約による稼働率の引き下げといった影響がみられ始めているとの報告があった。先行きにかけては、不確実性が高まる中、エネルギー価格を中心とした物価上昇やそれに伴う企業収益や個人消費へのマイナスの影響、供給制約がサプライチェーン全体に広がる可能性などを懸念する声があり、今後の展開次第では、地域の景気を下押しする可能性があることから、その動向を十分注意してみていくとの報告があった。

輸出・生産については、アジア企業との競合激化を受けて一部で弱めの動きになっているとの報告があった一方、グローバルなAI関連需要の増加が電力設備向けなどへすそ野を広げつつ波及するもと、底堅く推移しているとの報告があった。設備投資については、建設コスト上昇による投資の先送り・縮小などが一部でみられるものの、AI関連需要の中長期的な拡大期待に基づく能力増強投資や、人手不足対応や生産性向上を目的とした省力化・デジタル化投資などを中心に積極的な投資スタンスが維持されているとの報告が多かった。個人消費(インバウンド需要を含む)については、イベント関連等でのハレの日消費の堅調さを指摘する報告があった一方、日常消費では、スーパー等を中心に、消費者の節約志向の影響が続いているとの報告があった。この間、都市部の百貨店等で国内富裕層による高額品販売が堅調さを維持しているとの報告や、観光・宿泊や飲食でも賃上げの影響もあって国内客の需要が底堅く推移しているとの報告があった。このほか、インバウンド需要については、渡航自粛要請を受けた中国人旅行客の減少による下押しの影響がみられるものの、他地域からの旅行客の増加がそれを補うことで、高水準で推移しているとの報告が多かった。

賃金設定面について、春季労使交渉で大企業を中心に2025年度並みの高水準の賃上げが広がっていることを受け、地域の中小企業においても、人材の確保・係留等の観点から、2026年度も2025年度と概ね同程度の賃上げ方針を示す企業が多いとの報告が多数あった。また、最低賃金の改定を受けてパート労働者の賃金を引き上げる中で、正社員についても相応の賃上げが必要になっているとの報告もあった。ただし、価格転嫁の遅れ等による収益面の制約から2025年度並みの賃上げは難しいとの声が聞かれるとの報告のほか、今後の中東情勢の展開次第では賃金設定スタンスを慎重化する可能性があるとの報告が一部であった。

価格設定面では、人件費、物流費等の上昇を販売価格に転嫁する動きが続いているとの報告が多かった。また、素材業種の企業からは、最近の為替円安や原油価格の高騰等の影響を受け、今後の値上げを表明あるいは検討する声が聞かれるとの報告もあった。ただし、消費者の節約志向を背景に、値上げ幅の抑制や低価格商品の品揃え強化等で対応する動きも引き続きみられるとの報告があった。


(参考)

各地域の景気の総括判断と前回との比較
2026年1月判断 前回との比較 2026年4月判断
北海道 一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに持ち直している 不変 一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに持ち直している
東北 持ち直している 不変 持ち直している
北陸 一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している 不変 一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している
関東
甲信越
一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している 不変 一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している
東海 緩やかに回復している 不変 緩やかに回復している
近畿 一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している 不変 一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している
中国 緩やかな回復基調にある 不変 緩やかな回復基調にある
四国 緩やかに持ち直している 不変 緩やかに持ち直している
九州・沖縄 一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに回復している 不変 一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに回復している
  • (注)前回との比較の「右上がり」、「右下がり」は、前回判断と比較して景気の改善度合いまたは悪化度合いが変化したことを示す(例えば、改善度合いの強まりまたは悪化度合いの弱まりは、「右上がり」)。なお、前回判断と比較して景気の改善・悪化度合いが変化しなかった場合は、「不変」となる。