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業務継続体制の実効性確保に向けた確認項目と具体的な取組事例(増補改訂版)

2010年3月
日本銀行金融機構局

はじめに

日本銀行では、業務継続体制を整備するうえで「整備が必要な項目」を整理するとともに、わが国金融機関における先進的な取り組み事例等を紹介する目的で、2008年5月に「業務継続体制の実効性確保に向けた確認項目と具体的な取組事例」を公表した。

その後、日本銀行では、考査やオフサイト・モニタリング等を通じて、各金融機関と業務継続に関する議論を重ねてきた。この間、大手金融機関を中心に体制整備が一段と進展する中で、中小金融機関においても、具体的な業務継続体制の整備に取り組む動きがみられている。また、最近では、新型インフルエンザのような、従来とは異なる対応を考慮する必要がある脅威も現れている。

そこで、本稿では、上記2008年の公表資料に、新型インフルエンザ等の感染症対策において特に必要と考えられる項目を追加するとともに、「具体的な取組事例」の中でも、とりわけ多くの金融機関において取り組まれている基本的な事例に「◎」印を付した。また、読みやすさの観点から、文章表現等に一部修正を加えた。

もとより、業務継続体制の整備については、各金融機関の置かれた環境や立場によって被り得る災害や期待される対応水準が異なるうえ、対応策には多様なアプローチがあり得る。また、本稿で紹介する対応例には、総論的なものから技術的なものまで様々なものが含まれている。各金融機関においては、本稿を参考にしながら自らにとって適切な対応を検討し、業務継続計画の実効性を着実に高めていくことが期待される。

日本銀行としては、本稿も活用しつつ金融機関との議論をさらに深め、ひいては被災時におけるわが国の金融・決済システムの安定性向上に繋げていきたいと考えている。

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融機構局までご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

照会先

金融機構局システム・業務継続関連考査担当

富岡 則行、山崎 敦之
E-mail : csrbcm@boj.or.jp