日本銀行の国債買入れに伴うポートフォリオ・リバランス
:銀行貸出と証券投資フローのデータを用いた実証分析
2014年6月19日
日本銀行企画局
齋藤雅士※1
法眼吉彦※2
要旨
本稿では、日本銀行の国債買入れに伴うポートフォリオ・リバランスについて、資金循環統計をはじめとした銀行貸出や主体別の証券投資フローのデータを用い、ファクトの整理と実証分析を行った。2013年4月に量的・質的金融緩和が導入された後、日本銀行以外の主体による日本国債への投資フローが減少する中、銀行貸出のほか、日本の株式・投信や社債への投資フローが増加している。主体別にみると、主に国内銀行と海外部門において、リバランスの動きがみられる一方、生・損保や企業年金基金、公的年金には、現時点までのところ、こうした傾向は観察されない。国内銀行による貸出の増加には、銀行のバランスシートの状況や銀行が直面する資金需要といった金融経済状況の変化に加え、日本銀行が買い入れた国債の残存年限の長期化も影響している可能性がある。
キーワード
ポートフォリオ・リバランス、国債買入れ、量的・質的金融緩和、資金循環統計
本稿で用いた一部のデータの作成において、西口周作と山岡理恵の協力を得た。また、日本銀行スタッフから有益なコメントを得た。本稿の内容と意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。
- ※1E-mail : masashi.saitou@boj.or.jp
- ※2E-mail : yoshihiko.hougen@boj.or.jp
日本銀行から
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照会先
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