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日本銀行のマクロ・ストレス・テストについて

2014年10月8日
日本銀行金融機構局
北村冨行※1
小島早都子※2
高橋宏二郎※3
竹井郁夫※4
中村康治※5

要旨

世界的な金融危機以降、金融システムのリスクを評価する手法の一つとして、マクロ・ストレス・テストが各国で注目を集めている。日本銀行も、金融システムレポートの中で、その時々の金融経済情勢を反映したマクロ・ストレス・テストを毎回実施している。本稿では、金融システムレポートで実施しているマクロ・ストレス・テストの枠組みを解説する。日本銀行のマクロ・ストレス・テストの枠組みは、日本の金融システムのリスクを的確に把握するため、改良を重ねてきている。現在の日本銀行のマクロ・ストレス・テストの特徴は、(1)金融セクターとマクロ経済セクターの2部門からなる中規模・構造モデルである『金融マクロ計量モデル』を用いて、金融と実体経済の相乗作用を取り込んでいること、(2)金融セクター全体の集計値だけではなく、個別金融機関の自己資本比率や資金利益等の動きも分析できること、である。

JEL分類番号
E44、G21

キーワード
ストレス・テスト、マクロプルーデンス政策

本稿の作成過程では、木村恵都子と納富美奈子から多大な協力を得た。また、多くの日本銀行スタッフから有益なコメントを頂戴した。記して感謝の意を表したい。残された誤りは全て筆者らに帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者ら個人に属するものであり、日本銀行および金融機構局の公式見解を示すものではない。

  • ※1金融機構局(現・イングランド銀行)E-mail :Tomiyuki.Kitamura@bankofengland.co.uk
  • ※2金融機構局 E-mail : satoko.kojima@boj.or.jp
  • ※3金融機構局 E-mail : koujirou.takahashi@boj.or.jp
  • ※4金融機構局 E-mail : ikuo.takei@boj.or.jp
  • ※5金融機構局 E-mail : kouji.nakamura@boj.or.jp

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融機構局までご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

照会先

金融機構局金融システム調査課

E-mail : post.bsd1@boj.or.jp