消費活動指数の08SNA対応と精度向上を企図した見直し
2018年4月20日
日本銀行調査統計局
金藤章浩*1
萬処李奈*2
加藤直也*3
須合智広*4
要旨
本稿では、日本銀行調査統計局が月次で公表している消費活動指数について、今般行った見直しの内容を説明する。今般の見直しは、2016年12月にGDP統計が基準改定されると同時に、準拠する国際基準が93SNAから08SNAに変更されたことを直接の契機としたものである。
具体的な見直し内容としては、第1に、新たなGDP統計に準拠する形で、ウエイトを更新した。その際、ウエイトの算出に当たっては、従来の需要側統計を利用した方法の代わりに、産業連関表を用いた方法を新たに採用した。第2に、耐久財(自動車、家電)の指数作成方法を変更したほか、非耐久財(たばこ等)やサービス(金融サービス)で、新たな基礎統計を取り込むことによって指数精度を向上させた。これらの見直しによって、従来の消費活動指数が有してきた利点を保持しつつ、消費活動指数の指数体系が現行のGDP統計と整合的となったほか、ヘッドライン指数に加えて形態別指数についても、GDP個人消費年次推計値とのかい離が小さい指数となった。
本稿の執筆に当たっては、関根敏隆、中村康治、一上響、吉羽要直、東将人、原尚子、河田皓史の各氏および日本銀行スタッフから有益な助言やコメントを頂いた。計数作成では、森いづみ氏にご協力を頂いた。ここに記して感謝の意を表したい。ただし、残された誤りは全て筆者らに帰する。なお、本稿の内容と意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。
- *1日本銀行調査統計局 E-mail : akihiro.kanafuji@boj.or.jp
- *2日本銀行調査統計局 E-mail : rina.mandokoro@boj.or.jp
- *3日本銀行調査統計局 E-mail : naoya.katou@boj.or.jp
- *4日本銀行調査統計局 E-mail : tomohiro.sugou@boj.or.jp
日本銀行から
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照会先
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