企業物価指数・企業向けサービス価格指数におけるヘドニック法の見直し
2020年10月30日
日本銀行調査統計局
要旨
日本銀行調査統計局では、企業物価指数・企業向けサービス価格指数の作成において、ヘドニック法による品質調整を実施しています。ヘドニック法は、商品の価格と機能の関係を統計的に推定することから、客観性の高い調整手法であるとともに、商品の機能変化が多岐に及ぶ場合でも対応可能な手法である点に強みがあり、これまで情報通信機器や乗用車などの計9商品を対象に同手法を適用してきました。
今般、ヘドニック法について見直しを検討した結果、ヘドニック回帰式の推計に当たって、従来からの課題である多重共線性と欠落変数の問題への対処を企図し、スパース推定を用いた新しい推計手法を採用することとします。新手法では、回帰式に採用される説明変数が増加し、商品の機能と価格の関係を従来よりも幅広い観点から捉えることが可能となるほか、回帰式の実際の価格へのフィットも全体として改善すると考えられます。
また、こうした新しい推計手法の採用に加え、市場規模の縮小ないし頭打ちや製品ライフサイクルの長期化といった近年の市場構造の変化を踏まえ、一部の商品において、ヘドニック法の適用の取り止めや回帰式の統合、再推計頻度の引き下げを行うこととします。
日本銀行調査統計局としては、これらの見直しを通じて、物価指数の高度化・精度向上と効率的な統計作成を両立させていく方針です。なお、今回の見直しは、2020年12月公表の企業物価指数・企業向けサービス価格指数より適用していくことを予定しています。
日本銀行から
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照会先
調査統計局物価統計課
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