東京大学金融教育研究センター・日本銀行調査統計局
第11回共催コンファレンス:「供給制約経済への移行:その含意と課題」の模様
2026年2月4日
日本銀行調査統計局
要旨
東京大学金融教育研究センターと日本銀行調査統計局は、2025年11月26日、日本銀行本店にて、「供給制約経済への移行:その含意と課題」と題するコンファレンスを共同開催した。そこでは、わが国が直面する供給制約やそれが経済・物価に及ぼす影響等について議論が展開された。
まず、第1セッションでは、国際経済の分断化リスクを念頭に、サプライチェーンにおける重要物資の供給制約の影響について議論が行われた。次に、第2セッションでは、労働市場の供給制約を念頭に、人口減少下での労働供給のトレンドや、ロボット・AIの技術革新による生産性および労働市場への影響について議論が行われた。特別講演では、AIの最新動向を踏まえたうえで、マクロ経済への影響が論じられた。第3セッションでは、供給制約が物価変動に及ぼす影響について議論が行われた。
これらを踏まえた総括討議では、供給制約がわが国の経済・物価のダイナミクスに及ぼす影響と、そのもとでの政策対応について、討論が行われた。供給制約による影響を巡る論点として、(1)女性・高齢者を中心とする追加的な労働供給余地、(2)わが国サプライチェーンの脆弱性、(3)予期できない供給ショックと予見可能な供給曲線のトレンド的なシフトの違い、(4)AIの利活用が生産性に与える影響、などが議論された。特に、「労働供給の天井(ルイスの転換点)」までの距離や賃金・物価への上昇圧力について様々な見解が示された。政策対応については、サプライチェーンの強靭化における政策の役割や、AIの利活用に向けた課題についての意見が聞かれた。
- 本稿で示されたコンファレンス内での報告・発言内容は発言者個人に属しており、必ずしも日本銀行、あるいは調査統計局の見解を示すものではない。
日本銀行から
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照会先
調査統計局経済調査課経済分析グループ
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