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インフレーション・ターゲティングの変貌

2008年10月2日
企画局
上田 晃三*

  • 現金融研究所

要旨

インフレーション・ターゲティングを導入しているニュージーランド、カナダ、英国、スウェーデンの中銀は、その導入当初、インフレ期待の安定を重視する観点から、足許の物価安定に向けて厳格な運営を試みていたが、その後徐々に、中期的な物価と実体経済の安定をめざす運営に変貌していった。すなわち各国の中銀は、実体経済の安定にも配慮して、たとえ足許の物価が目標から乖離するようなことはあっても、それを無理に安定化するのではなく、時間をかけて緩やかに安定化することをめざした運営を行うようになっている。このような政策運営方法とインフレーション・ターゲティングを採用していない主要国の政策運営方法は収斂してきているとの評価もされている。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。
ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行企画局(現金融研究所)上田晃三までお知らせ下さい。