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最近の国際商品市況上昇の背景

世界的に緩和した金融環境とコモディティの金融商品化の影響

2011年3月4日
国際局 木村武、木全友則、稲村保成、武藤崇

要旨

国際商品市況は、2009年以降上昇基調を続けており、そのテンポは2010年秋頃から速まっている。新興国を中心とする世界経済の成長持続を背景としたコモディティに対する実需の増加が、投資資金の増加と相俟って、商品市況を基調的に押し上げていると考えられる。また、近年、多くの金融投資家がコモディティ先物市場に参入していく過程で、株式市場など他の金融資産市場との連動性が強まり、国際商品市況の変動パターンが大きく変化している。金融投資家は、コモディティを、株や債券など伝統的な金融資産にかわるオルタナティブ投資として位置付けるようになり、コモディティの金融商品化が進んだ。その結果、国際商品市況は、コモディティの現物需給だけではなく、投資家のポートフォリオ・リバランスの影響を受けやすくなっている。かつて国際商品市況は株価との相関が低かったが、最近は正の相関を強めているのはその表れである。国際商品市況の上昇基調を解釈するうえで重要な点は、コモディティの実需増加というファンダメンタルズにせよ、あるいは、コモディティの金融商品化に伴う投資資金の増加にせよ、いずれにしても、世界的に緩和した金融環境が関連している可能性があるということである。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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