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「グローバル流動性」について

BISグローバル金融システム委員会の報告書をもとに

2012年3月8日
金融市場局

要旨

資本移動の自由化が進み、金融市場がグローバル化した現在、資金は容易に国境を越えて移動する。このことは、グローバルにみた資金調達の利便性を高めている一方、国際資金フローの変動を増幅し、世界的な規模で金融危機を引き起こす1つの遠因になっているとも考えられる。今回の国際的な金融危機を背景に、グローバルな資金調達の容易さ — いわゆるグローバル流動性 — に関する理解を深めることの重要性が改めて認識され、G20をはじめとする国際的なフォーラムで検討作業が進められている。その1つの成果として、BISグローバル金融システム委員会が昨年公表した報告書「グローバル流動性 — 概念、計測、政策的含意」がある。本稿ではこの報告書のエッセンスを紹介し、グローバル流動性の定義や計測方法、さらには関連する政策的な論点について整理したい。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。

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