このページの本文へ移動

最近の訪日外国人増加の背景とわが国経済への影響

2013年11月7日
調査統計局 米良有加、倉知善行、尾崎直子

要旨

わが国を訪れる外国人数は、このところ大きく増加しており、なかでもアジアからの訪日客の伸びが大きい。この背景をみると、震災直後の落ち込みからの回復、為替相場動向に加え、アジアにおける中間所得者層の増加、LCC就航やビザ発給要件の緩和といった要因が複合的に影響しているとみられる。こうした訪日外国人数の増加によるわが国経済への影響は、全体としてみればなお限定的であるが、日本での消費動向の特徴を踏まえると、一部の消費関連の業種に対しては、相応のプラス効果を与えるようになってきているとみられる。今後は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催も契機としつつ、訪日外国人数のさらなる増加や消費喚起に向けた取り組みが進められることによって、わが国経済により大きなプラス効果をもたらしていくことが期待される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行調査統計局経済調査課景気動向グループ(代表03-3279-1111)までお知らせください。