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米国クレジット市場の最近の動向について

2019年3月8日
金融市場局 寒川宗穂太郎、助川卓也、小川佳也

要旨

本稿では、米国クレジット市場の現状評価を行うにあたり、レバレッジドローン・CLO市場やBBB格社債市場など、低格付け企業の債務の動向に焦点を当て整理を行った。いずれの市場でも、総じてみれば緩和的な金融環境などを背景に、これまで借り手優位な資金調達が続いてきた。その結果として、低格付け企業の債務残高が増加し、クレジットの質の低下を示唆する動きがみられている。こうしたなか、先行き何らかのショックが生じ、企業の格下げやデフォルトが増加に転じる場合には、企業部門全体のバランスシート調整圧力が高まる可能性には留意する必要がある。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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